研究課題/領域番号 |
04454429
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柳田 則之 名古屋大学, 医学部, 教授 (00023804)
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研究分担者 |
高橋 英世 名古屋大学, 医学部, 教授 (40183446)
植田 広海 名古屋大学, 医学部, 講師 (20213358)
中島 務 名古屋大学, 医学部, 講師 (30180277)
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キーワード | 内耳気圧外傷 / モルモット / 外有毛細胞 / 正円窓破裂 / EP / 耳管閉塞 / 血管条 |
研究概要 |
実験的研究として、モルモットを用いて 高気圧環境下における急激な気圧変化により内耳気圧外傷を作成し 蝸牛の病態を経時的に観察した。1ATA(絶対気圧)から2ATAの間の気圧変化では、特に急激な減圧による場合の方が蝸牛の障害がひどく 2ATAより1ATAまで30秒〜60秒で急速に減圧する方法を用いた。 コルチ器の障害は内有毛細胞により外有毛細胞の方が障害が強い。条件負荷直後の形態学的変化では 聴毛が折れ曲り 胞体内の障害は殆んどみられないが 聴毛の障害が強いものでは1日後になると胞体の変性が始まり 1週間後には外有毛細胞は消失し支持細胞で置換されている。血管条の変化は殆んどみられない。これらの変化を 電気生理学的に EPを指標としてみると EPは負荷直後により低下を示すが 7〜14日後には回復を示す。しかし 7日以後になるとanoxia時における-EPは出現しなくなる。内耳気圧外傷を来した動物の約3分の1に条件負荷直後正円窓破裂がみられるが 破裂のみられるもの必ずしも蝸牛の障害程度は強くなく しかも1週間後にはすべて閉鎖していた。 又、一方において 耳管咽頭口において予め耳管を閉塞して気圧変化負荷を行った。自然な状態の動物とは異って 急激な加圧時による方が内耳障害がひどくなり 減圧時の場合には内耳障害は殆んど起らない。この点について 耳管を完全に閉塞した場合には 外気圧が2ATAまで上昇しても中耳腔は2ATAまでは上昇しないことを示しており、来年以後の課題の1つとして研究を続けて行く予定である。 更に、低気圧環境下における実験も行っているが、現在の条件負荷では 蝸牛障害の程度は軽微であり 種々条件負荷をかえて検討の予定である。
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