研究課題/領域番号 |
04454429
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柳田 則之 名古屋大学, 医学部, 教授 (00023804)
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研究分担者 |
福田 成司 名古屋大学, 医学部, 助手 (90252246)
植田 広海 名古屋大学, 医学部, 講師 (20213358)
中島 務 名古屋大学, 医学部, 講師 (30180277)
高橋 英世 名古屋大学, 医学部, 教授 (70023819)
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キーワード | 気圧外傷 / 外有毛細胞障害 / 膜迷路虚脱 / 高所登山シュミレーション / 高気圧酸素療法 / 耳管機能 / 内耳気圧外傷症例 / 聴力回復 |
研究概要 |
〈実験的研究〉正常モルモット使用 1.高気圧環境下における気圧負荷実験 中耳の障害は、出血、充血等がみられるが、鼓膜上皮胞体の障害は比較的軽度で上皮下組織の出血、浮腫、血管拡張が強い。 蝸牛の障害はコルチ器が中心で、特に外有毛細胞の聴毛障害が生じ、次いで胞体内に障害が起ってくる。ライスネル膜の虚脱がみられるものがあるが、血管条の変化は殆どみられない。 前庭器においては負荷直後に眼張を認めCPを来すものでも感覚細胞の障害は殆どみられず膜迷路の虚脱を認めることが多い。 耳管閉塞モデルにおいては、加圧による障害が減圧による場合よりも強い。 2.低気圧環境下における気圧負荷実験 高気圧環境下における気圧変化に比して、気圧外傷を起すことは軽徴である。しかし耳管閉塞モデルにおいては、高気圧時と同様な障害が生ずる。 〈臨床的研究〉 1.気圧変化による中耳障害と耳管機能の関連について a)高所登山シュミレーションにおいて、6000〜7000mの高所まで減圧し、その後1気圧まで加圧する法にて、体験前後に鼓膜、及び耳管機能を検査した。耳管機能の悪い症例に中耳気圧外傷を来す頻度が高く、中耳気圧外傷を予防する指標になることがわかった。 b)高気圧酸素治療を行っている患者について、耳管機能との関連を経時的に観察したが治療7回目位に耳管機能低下のピークを示すものが多く、この前後に中耳気圧外傷を来しやすい。しかし終了時(15〜25回)には回復し予後は良好である。 2.内耳気圧外傷症例の検討 中耳気圧外傷を伴っているものは比較的少ない。初期においては安静を保ち、突発性難聴と同様な治療を行ったが、高音障害型を除いて聴力回復は良好である。
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