研究課題/領域番号 |
04454431
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大山 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70024677)
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研究分担者 |
松崎 勉 鹿児島大学, 医学部, 助手 (50239000)
伊東 一則 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90213032)
福田 勝則 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90156779)
花牟礼 豊 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40145496)
昇 卓夫 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40094164)
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キーワード | 繊毛細胞 / 杯細胞 / コラーゲンゲル浮遊細胞 / IL-1β / IL-1βmRNA / 接着分子 / HPV / recombinant Protein |
研究概要 |
1) 培養呼吸上皮細胞における内的、外的要因の及ぼす影響に関する研究 : ヒト鼻粘膜由来の呼吸上皮細胞を次の2段階培養法により繊毛細胞として長期間培養することに成功した。(] SY.encircled1. [)まず、コラーゲンゲル上で培養し、コンフルエント状態の扁平細胞を増殖させる。(] SY.encircled2. [)次いで、この状態で細胞と一緒にコラーゲンゲルを一旦剥離し、浮遊させてコラーゲンゲル環境下で培養する。その結果、当初の扁平細胞は周囲環境の変化により、隣接細胞の影響を受けながら立方状の形態をとることで繊毛細胞や杯細胞に分化することが分かった。 2) 副鼻腔炎と接着分子に関する研究 : 慢性副鼻腔炎洞貯留液中にはIL-1βが多く存在し、これが好中球のヒト鼻粘膜培養血管内皮細胞への接着にTNFと同等ないしはそれ以上に関与することが明らかとなった。また、in situ hybridizationで好中球の一部にIL-1β mRNAの発現が証明された。さらに、洞粘膜の免疫組織化学的的検索で、ICAM-1の発現が顕著にみられ、また、ELAM-1が上皮下浅層の間質に分布する血管に多く観察された。これらの研究成果は白血球の炎症巣への遊走や炎症の慢性化機序の一端を解明する糸口となろう。 3) 上気道粘膜乳頭腫の分子生物学的研究 : 若年性喉頭乳頭腫組織よりDNAを精製し、DNA dot blot、southern blot、PCR法を用いてヒトパピローマウイルス(HPV)11型と6型が検出された。また、HPV11型についてHPV DNA cloningを行い、E6およびL2領域をexpressionvector(pEXl,3)にsubcloningし、recombinant proteinを産出した。このrecombinant proteinを用いて、western blottingを行ったところ多くの患者血清中で抗E6抗体と抗L2抗体の存在が認められた。ただ、しばしば患者の血清中のanti-βgalactoside antibodyが血清診断に支障を来すので、その除去操作が最大の課題であったが、最近その解決の見通しがついた。
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