研究分担者 |
坂下 哲史 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20205743)
枡谷 治彦 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10190357)
小西 一夫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50145801)
大橋 淑宏 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (60160602)
山根 英雄 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (60145787)
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研究概要 |
音響暴露が血管条血流に及ぼす影響をカナマイシンを血流のトレーサーとして免疫組織学的に検討するとともに,血管条におけるフリーラジカルの発生の可能性を検討した。モルモットに120-125dB3時間の強大音響を暴露したところ,血管条血流が顕著に低下していた。音響暴露終了後2時間で血流の再開がはじまり,6時間でほぼ,正常と同程度に回復したが,血管条細胞にはこの時間においても,完全な回復は認められなかった。60-70dB20分間の軽音楽暴露や,上頚神経節の電気刺激操作,切除操作のみでは顕かな血管条血流の変化は認められなかった。強大音響長時間暴露による血管条の循環障害は内耳の自律神経不均衡が原因とは考え難い。またこのような強大音響暴露により,血管条辺縁細胞にフリーラジカルが発生している可能性が示唆された。哺乳類(モルモット)内耳における異物ならびに局所防御反応の動態を、微細形態学的および細胞培養の手法を用いて検討した。その結果、外リンパ液内の液性防御因子はそれほど強くなく、また、内耳においてもNK細胞を主体とした細胞性防御因子の出現が認められたが、他臓器に比べその出現時期が遅れることが判明した。 アミノ配当体投与で惹起されたモルモット前庭感覚細胞層において、前庭感覚細胞の再生能の有無を検討した。その結果、哺乳類前庭感覚細胞にも再生能力があること、および感覚細胞のprogenetorとして支持細胞が示唆された。 誘発耳音響放射(EOAE)の検討で、メニエール病患者ではその主周波数が低くなることを報告してきたが、今回の経時的観察でめまいの発作の予測も可能であることが示唆された。
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