研究課題/領域番号 |
04454434
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
松永 喬 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10028475)
|
研究分担者 |
上田 隆志 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10232753)
矢形 礼貴 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20239718)
藤田 信哉 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20165385)
田中 治 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30142384)
宮原 裕 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70028645)
|
キーワード | 椎骨動脈閉塞術 / 前下小脳動脈閉塞術 / 脳幹部血流量変化 / 前庭神経核神経活動 / 脳幹部機能検査 / 蝸牛血流左右差 / レーザードップラー法 / オートラジオグラフィー法 |
研究概要 |
【.encircled1.】光凝固法による一側椎骨動脈閉塞ラットのレーザードップラー法では全身血圧、同側・対側蝸牛血流に明らかな変化はみられなかったが、一側椎骨動脈閉塞後瀉血による全身血圧低下が加わると蝸牛血流は低下し、その低下率は同側が対側に比べより大きく左右差を生じる傾向があった。【.encircled2.】前年度に引き続きラットの前下小脳動脈の光凝固法による閉塞モデルを作成し、オートラジオグラフィー法による血流測定で2時間後の脳幹部蝸牛核はコントロール群と同程度の血流量で30分後に比して回復したが、脳幹部前庭核はコントロール群に比して20%低下し回復がおくれた。【.encircled3.】レーザードップラー法による脳幹部の側副血行路の観察で前下小脳動脈閉塞後、外側回旋枝の血流は1〜2分後に増加し約10分後に30〜33%のの血流増加をみた。【.encircled4.】クロラース麻酔ネコを用い、低酸素吸入(5% O_2)および一側椎骨動脈閉塞時の回転刺激に応じる前庭神経核ニューロン活動をみると低酸素吸入ではニューロンの自発発火は一過性に亢進後減少しその後消失し、低酸素吸入を中止すると回復した。記録側と同側の椎骨動脈をクリップで閉塞すると13個のニューロンのうち3個に低酸素吸入時と同様の反応が認められた。【.encircled5.】前下小脳動脈閉塞ラットの温度刺激検査(0℃、5ml法)で閉塞側耳は57%の機能低下を示した。【.encircled6.】前下小脳動脈閉塞ラットのABRで閉塞側と同側からの刺激ではすべての波形が消失するもの、すべての波形が消失するがしばらくして回復するもの、各波形は消失せずI-V波間潜時のみ延長するものの3種類の波形に分類でき、対側刺激でもI-IV波間の潜時の延長が認められ、前下小脳動脈閉塞により脳幹機能の低下が考えられた。
|