研究課題/領域番号 |
04454435
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研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
坂田 英治 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40118633)
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研究分担者 |
平塚 仁志 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80218792)
村田 保博 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90229998)
寺本 和弘 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70197812)
伊藤 靖郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50213096)
伊藤 彰紀 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20203127)
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キーワード | 内耳疾患 / 耳鳴 / 治療方法 / デキサメタゾン鼓室内注入法 / 内耳麻酔法 |
研究概要 |
目的:耳鳴治療として当科で行なっているデキサメタゾン鼓室内注入法とリドカイン鼓室内注入法(内耳麻酔法)の効果を検討し、より有効な耳鳴治療法を確立する。 方法:1.耳鳴の自覚的表現(音色、耳鳴強度)について治療前後で比較する。2.標準耳鳴検査法1984による、ピッチ・マッチ法とラウドネス・バランス法にて、治療前後の耳鳴の変化を比較する。 結果:1.デキサメタゾン鼓室内注入法:(1)疾患別治療効果としては、慢性中耳炎残胎症(有効率81%)、内耳梅毒(79%)、そしてメニエール病(77%)で治療有効率が高く、頭頚部外傷症候群(48%)では低値であった。(2)低音性ピッチの耳鳴に対する有効率が高かった。(3)自覚的表現でポー(100%)、ワーン(97%)、ボー(84%)、そしてガーン(80%)などの有効率が高かった。2.内耳麻酔法:(1)疾患別治療効果としては、突発性難聴(有効率84%)、内耳性めまいに伴う耳鳴 (82%)などで有効率が高く、頭頚部外傷症候群(0%)やストレプトマイシン中毒(50%)、そして遺伝性難聴(50%)では有効率が低かった。(2)耳鳴のピッチ別治療効果には一定の傾向は認めなかった。(3)耳鳴の自覚的表現と治療効果の間にも相関は認めなかった。 考察:1.メニエール病や内耳梅毒など、内耳の機能性障害が疑われる疾患では、デキサメタゾン鼓室内注入法がより有効であった。2.突発性難聴や内耳性めまいなど、内耳の器質的疾患に伴う耳鳴に対しては、内耳麻酔法がより有効であった。3.耳鳴の自覚的表現やピッチ別に有効率が異なった。 結論:今後、疾患別、耳鳴ピッチ別、あるいは音色別に二つの治療法を選択することによって、耳鳴治療の有効率がより向上すると考えられた。
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