研究課題/領域番号 |
04454436
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
野村 恭也 昭和大学, 医学部, 教授 (30009948)
|
研究分担者 |
崎川 康彦 昭和大学, 医学部, 助手 (00205791)
小林 一女 昭和大学, 医学部, 講師 (20234841)
|
キーワード | 外リンパ瘻 / コンピュータグラフィクス / 卵形嚢 / 動物実験 / 三半規管 / 前庭症状 / membrana limitans |
研究概要 |
1.コンピュータグラフィクスによる膜迷路病変の観察(動物実験) 外リンパ瘻モデル動物のセロイジン切片より正常卵形嚢、半規管の画像をコンピュータに入力し、コスモゾーンを用いてコンピュータグラフィクスによる解析を行った。卵形嚢虚脱を示す標本を入力し、画像として観察すると、卵形嚢壁の一部が卵形嚢の内側より虚脱していることが明らかとなった。半規管膨大部についても虚脱が示された。 2.吸引法による膜迷路変化(動物実験) 外リンパを蝸牛窓膜経由で鼓室階より4mul吸引して、前庭半規管の変化を実体顕微鏡下に解剖し、観察した。主病変は膨大部の陥凹であった。膨大部を真上から、あるいは向膨大部の力で外側(外リンパ側)より圧迫された形が示された。この変化は前、外側半規管膨大部にみられた。後半規管については標本の作成がうまくいかなかった。卵形嚢については、亀裂が生じ明らかに虚脱と断定することができなかった。 3.卵形嚢斑の面積について ヒトとモルモットの卵形嚢斑を採取し、モルモットでは非脱灰標本にて耳石の面積を、ヒトに於ては脱灰標本についてヘマトキシリン、エオシン染色後に平衡斑の面積をコスモゾーンを用いて計測した。その結果、モルモットでは0.43mm^2であった。なおモルモットにおけるpars interna、striola、pars externaの面積を測定するとそれぞれ0.21、0.22であった。 4.ヒト前庭膜迷路の解剖学的特性 ヒト前庭膜迷路は、迷路のpars superiorに属し、pars inferiorとはmembrana limitansで境界されている。注入法、吸入法いずれの方法においても卵形嚢壁が虚脱する時は、trabecular meshが消失するが、menbrana limitansは正常に保たれること、また骨迷路で卵形嚢の最も径の大きな部分付近に骨迷路、膜迷路を連結する紐状の構造のみられることが判明した。
|