研究課題/領域番号 |
04454438
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
所 敬 東京医科歯科大学, 医学部・眼科, 教授 (20013865)
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研究分担者 |
川崎 勉 東京医科歯科大学, 医学部・眼科, 助手 (30204712)
赤澤 嘉彦 東京医科歯科大学, 医学部・眼科, 助手 (70159317)
船田 みどり 東京医科歯科大学, 医学部・眼科, 講師 (10143554)
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キーワード | 実験近視 / ヒヨコ / 暗所飼育 / 免疫組織化学 / TGF-β / 培養軟骨細胞 / b-FGF / 網膜色素上皮 |
研究概要 |
1.ヒヨコ実験近視モデルの視性刺激遮断の条件と近視化との関係 昨年に引続き視性刺激遮断の条件を変え、得られる近視の程度について検討した。ゴーグルの光透過性は視性刺激遮断による近視化の程度に大きな影響はないと思われた。片眼ゴーグルでも両眼ゴーグルでも同様の近視化が得られたことから、両眼の相互作用はないと思われた。暗所飼育ではゴーグルは近視化を起こさなかったことから、ゴーグルの熱や機械的作用は近視化に関与しないと思われた。さらに両眼黒色ゴーグルでも同程度の近視化を起こしたことから、明室飼育環境が視性刺激遮断近視には必要であることがわかった。 2.実験近視眼強膜の組織学的検討 これまでヒヨコ実験近視眼後極部強膜で軟骨強膜の増殖、細胞外基質合成の増加が見られ、このことが眼軸延長に深く関与していることを報告してきた。そこで今回、軟骨性強膜の肥厚と増殖因子との関係を見る目的で実験近視眼強膜におけるTGF-α、TGF-βの発現を対照眼と比較検討した。近視眼ではTGF-β、phosphotyrosinが対照眼に比べ強い陽性反応が見られた。また近視眼ではdecolin陽性細胞が多く存在していた。このことから、眼軸長延長をきたした近視眼で、増殖因子であるTGF-βのparacrine、autocrineが後極部軟骨強膜の細胞増殖ならびにproteoglycanなどの細胞外基質合成を調節している可能性が示唆された。 3.強膜の成長に対する細胞成長因子の関与-in vitroでの検討- 今回、培養軟骨細胞を用いて、b-FGF、TGF-β、TGF-α、IGF-I、IGF-II、PDGF-AB、PDGF-BB、PDGF-AAなどの細胞成長因子の関与を検討した。PDGF-AA以外の成長因子は軟骨細胞の増殖能を亢進し、なかでもb-FGFの効果が顕著であった。また、ニワトリ胚網膜色素上皮とco-cultureしたところ軟骨細胞の増殖亢進が見られた。さらに、ニワトリ胚網膜色素上皮の培養上清にウェスタンブロット法でb-FGFが検出された。強膜軟骨細胞には諸種成長因子レセプターがあり、さらに網膜色素上皮も成長因子の産生に関与していると思われた。
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