研究課題/領域番号 |
04454443
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸田 健一 大阪大学, 医学部, 講師 (80028563)
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研究分担者 |
西川 淳一 大阪大学, 薬学部, 助手 (90218131)
松尾 武清 大阪大学, 教養部, 教授 (50029691)
小林 裕次 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20127228)
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キーワード | 炭酸脱水酵素 / アセタゾラミド / 核磁気共鳴 / 変異源処理 / ヒスチジン / グリシン / 質量分析 |
研究概要 |
本年度、われわれはヒト炭酸脱水酵素2のGly63を^<13>Cで、His64を^<15>Nで標識したものを作成し、アセタゾラミドとの複合体形成におけるHis64の役割を核磁気共鳴で調べることを計画した。現在までのところ、以下のことを達成した。(1)セントルイス大学医学部より、ヒト炭酸脱水酵素2の発現系(発現プラスミドpCAH3を持つ大腸菌BL21(DE3)pLysSPCAH3およびその宿主菌BL21(DE3)PLysSの供与を受けた。(2)この宿主菌BL21(DE3)PLysSの最小培地(M9)での生育条件を検討し、M9培地に、ビタミン類のほかにブリン塩基の前駆体であるイノシンを加えた培地でこの菌の増殖がよいことを明らかにした。(3)ICR191による変異源処理によって、宿主菌BL21(DE3)PLysSのヒスチジン要求性変異株を作成した。さらに、このヒスチジン要求性変異株を、P1ファージトランスダクション法によりグリシン要求性にした。このヒスチジン・グリシン要求株にBL21(DE3)pLysSpCAH3より抽出した発現プラスミドpCAH3を導入し、ビタミンおよびイノシンを添加したM9培地で大量培養を行った。菌体より得た蛋白質をp-アミノメチルベンゼンスルフォンアミドをリガンドとするフアィニティ・クロマトグラフィとCMセルロースによるイオン交換クロマトグラフィで精製した。アミノ酸分析と質量分析による分子量測定とで、得た蛋白質がヒト炭酸脱水酵素2であることを確認した。(4)その後、さらに精製条件を検討し、セファデクスG-75によるゲル濾過を加えるとSDS電気泳動的に単一の標品を得ることができることが分かった。(5)^<15>N標識アセタゾラミドの微量合成は進行中である。その合成原料である^<15>N標識セミカルバジドの合成条件まで決定した。^<15>N核磁気共鳴の測定は平成5年度にずれ込む見込みである。
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