研究課題/領域番号 |
04454443
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪府立看護大学 (1994) 大阪大学 (1992-1993) |
研究代表者 |
岸田 健一 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (80028563)
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研究分担者 |
小林 祐次 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20127228)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 炭酸脱水酵素II / スルフォンアミド / アセタゾラミド / 核磁気共鳴 / ヒスチジン / ^<13>C-edited NOESY |
研究概要 |
眼圧降下薬として用いられているスルフォンアミド系炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミド)とヒト炭酸脱水酵素II(以下、酵素と略す)との複合体の構造についての知見を得るために、^<13>C、^<15>Nで標識した阻害剤と酵素とを作製し、多次元多核核磁気共鳴の測定を行った。アセタミド残基の炭素と窒素を標識したアセタゾラミドは通常の方法で合成した。ヒト炭酸脱水酵素の標識は、先ず、ヒスチジン、グリシン要求性の宿主菌を作製し、これにセントルイス大学より供与されたcDNAをトランスダクションし、標識したアミノ酸を含む培地で生育させることによって行った。この酵素の精製は、アフィニティークロマトグラフィーとイオン交換クロマトグラフィーによって行った。以下の結果を得た。(1)CO-filtered^<15>N HSQC法による測定によって、His64のアミドの窒素の^<15>Nに由来するシグナルを同定した。(2)次いで、三次元HNCA法の測定で、His64のCαの炭素に由来するシグナルを同定した。(3)さらに、二次元HCαCβHの測定と(H)Cβ(CγCδ)Hの測定により、His64の側鎖の炭素、窒素のシグナルを同定した。(4)そして、^<13>C edited NOESY法で、酵素とアセタゾラミドとの複合体の各自記共鳴を測定した。その結果、アセタゾラミドのアセタミド残基のメチル基の水素核と酵素のHis64の水素核(C_<(2)>に結合した水素核)との間の核オーバーハウザ-効果を観測できなかった。かわりに、フェニルアラニン残基のものと思われる水素核との間の核オーバーハウザ-効果と考えられるシグナルを観測した。この結果は、「アセタゾラミドはHis64と相互作用しているのであろう」というわれわれの当初の作業仮説を支持しない。
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