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1992 年度 実績報告書

難治性視神経疾患の疫学ならびに分子・細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04454447
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小口 芳久  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051498)

研究分担者 鈴木 参郎助  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40162945)
真島 行彦  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40157186)
キーワードレーベル視神経症 / ミトコンドリアDNA / 点突然変異 / 遺伝的異質 / ヘテロプラスミー / PCR / イデベノン
研究概要

レーベル視神経症(LHON)患者において、ミトコンドリアDNAの11778番塩基変異(ND4遺伝子)を検索した結果、日本人においては約80%の患者がこの変異をもつことが明らかになり、欧米人とはその頻度が異なっていた。11778変異をもたない患者において、ミトコンドリアDNA変異を検索した結果、ND1遺伝子領域に3460番塩基の置換が見つかった。これはG→Aへの変異であり、それによりアミノ酸はアラニンからスレオニンに変化している。この変異は欧米人でも最近報告されており、LHONの発症に関係する変異と考えられた。また、この症例ではND領域にいくつかのアミノ酸の置換(多型)が見られ、この多型は欧米人のものとは異なるため、欧米人とは起源異にする日本人独自の変異と思われた。現時点ではこれら2つの変異以外には見つかっていないが、さらに検索を進めている。11778変異をもつ日本人患者20人のミトコンドリアDNAの多型を調べたところ、正常人とほぼ同じ多型の頻度が見られたため、現在の患者の変異の起源は、ある特定の患者集団に由来するというよりは、正常集団の中からランダムに突然生じた変異と考えられた。また、この変異をもつ患者の臨床型を欧米人の患者と比較した結果、全体としてはほぼ同じ臨床型が見られたので、人種による差はあまり見られなかった。しかし個々の患者症例をみた場合、臨床型に差があり、11778変異だけではこれらは説明できず、他のミトコンドリアDNAの変異や多型の有無、環境因子の関与が示唆された。40歳以下の発症で予後の悪い視神経疾患とretrospectiveに検討した結果、中心暗点をきたした疾患の過半数はレーベル視神経症であり、この点においても遺伝子診断の有用性が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.MASHIMA: "Remission of Leber's hereditary optic neuropathy with idebenone" Lanset. 340. 368-369 (1992)

  • [文献書誌] 小田 仁: "40歳以下で発症した両眼性視神経症の予後不良例の検討" 臨床眼科. 46. (1993)

  • [文献書誌] 篠田 啓: "ミトコンドリアDNAのnt11778遺伝子変異をもつレーベル視神経症16家系の臨床所見" 臨床眼科. 46. (1993)

  • [文献書誌] 山田 恵子: "視力回復を示したnt11778遺伝子変異をもつレーベル視神経症の2家系" 臨床眼科. 46. (1993)

  • [文献書誌] Y.MASHIMA: "A high frequency of mutation at position 11778 in mitochondrial ND4 gene in Japanese families with Leber's hereditary optic neuropathy" Human Genetics. (1993)

  • [文献書誌] 小口 芳久: "臨床遺伝医学〔III〕 分子病 5.6レーベル病" 診断と治療社, 643 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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