研究課題/領域番号 |
04454447
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小口 芳久 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051498)
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研究分担者 |
出井 健之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90223130)
佐賀 正道 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00245557)
鈴木 参郎助 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40162945)
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40157186)
桂 弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40129391)
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キーワード | レーベル視神経症 / ミトコンドリアDNA / 点突然変異 / ヘテロプラスミー / 遺伝的異質 / SSCP |
研究概要 |
レーベル視神経症においてミトコンドリアDNAの変異が明らかとなったが、ミトコンドリアDNAでコードされた酸化的リン酸化酵素である複合体I、IIIおよびIVのすべてに点突然変異が存在する。日本人の患者において、ミトコンドリアDNA変異を検討した結果、8種類報告されたprimary mutationのうち、3460変異が2家系、11778変異が36家系、14484変異が3家系にみられた。欧米と異なり、11778変異は高率に認められた。単独ではレーベル視神経症を発症するまでには至らないとされる7種類のsecondary mutationのうち、3394変異が1家系、7444変異が1家系、13078変異が4家系にみられ、3394変異は11778変異に合併し、7444変異は3460変異に合併し、13078変異は11778変異に合併していた。欧米では11778変異以外のprinary mutationにはsecondary mutationが高率に合併することが報告されているが、日本人においてはsecondary mutationの保有率は低く、欧米患者とは異なる遺伝子変異型を示した。従って、欧米患者と日本人患者とでは臨床所見に大きな差がみられないため、secondary muationの意義は日本人患者においては不明である。 ミトコンドリア病においては野生型と変異型のDNAが混在するヘテロプラスミーがみられるが、レーベル視神経症においては多くの症例で変異型が95%以上を占めるホモプラスミーである。レーベル視神経症におけるヘテロプラスミーの意義を検討するために、新たにPCR-SSCP法を応用し定量化した。この方法により5-10%のヘテロプラスミー定量されることが判明した。11778変異をもった36家系のうち6家系にヘテロプラスミーがみられ、視神経症の発症には少なくとも70%以上の変異DNAが必要であった。従って、11778変異DNAがそれ以下であり、secondary mutationの合併がなければ、少なくとも発症の可能性が少ないと思われた。
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