研究課題/領域番号 |
04454449
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
脇田 稔 北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)
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研究分担者 |
高橋 茂 北海道大学, 歯学部, 助手 (70241338)
土門 卓文 北海道大学, 歯学部, 助手 (50217618)
山本 恒之 北海道大学, 歯学部, 講師 (80200822)
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キーワード | 破骨細胞 / 酒石酸耐性酸フォスファターゼ / 波状縁 / 細胞培養 / 細胞移動 / 三次元的構造 |
研究概要 |
ddY系マウスの長骨と脾臓から破骨細胞とマクロファージを分離し、クジラ象牙質研磨片上、もしくは培養皿上でこれらの細胞を72時間培養した。また、一部の試料においては、培養細胞を微速度撮影により観察した。培養終了後、試料を固定し、アゾ色素法を用いてそれらの細胞における酸フォスファターゼ(ACPase)、酒石酸耐性酸フォスファターゼ(TRACPase)活性反応を光顕にて観察した。その結果は以下のようであった。 1. 脾臓より分離した細胞には、ACPase活性陽性を示すものがあり、同一培養系において墨汁を加えた際にこれらを貪食した細胞もまたACPase活性陽性であった。しかしながら、これらの細胞はTRACPase活性陰性を示した。骨より分離した細胞に墨汁を加えた際に、幾つかの細胞はこれらを貪食したが、これらの細胞もまたTRACPase活性陰性であった。これらの結果から、墨汁を貪食した細胞はマクロファージであることが示唆された。 2. 骨より分離した細胞においてTRACPase活性を検出した場合、幾つかの細胞がこの活性に陽性反応を示した。これらの陽性細胞は象牙質上に明瞭な吸収窩を形成しており、さらに透過型電顕的には波状縁と明帯を有していた。この結果から、TRACPase活性陽性細胞は破骨細胞系の細胞であることが示唆された。 以上の結果から、本実験における培養系においてはTRACPase活性は硬組織吸収系の細胞において特異的であることが理解された。これらの結果に基いて、TRACPase活性陽性細胞の中で波状縁を有していない細胞を検察した。 この細胞は、光顕的には多核の巨細胞であり不規則な外形を示し、透過型電顕的には破骨細胞と同様の微細構造を有していた。この細胞は明帯様の構造で象牙質と接していたが、波状縁は有していなかった。連続切片からこの細胞を立体複構した結果、この細胞は三次元的に扁平でかつ不規則な外形を有し、一部の細胞体を象牙質の裏側へ伸ばしていた。これらの結果から、このTRACPase活性陽性細胞は移動中の破骨細胞であると推測された。
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