研究課題/領域番号 |
04454455
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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研究分担者 |
橋本 貞充 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10201708)
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (20125008)
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キーワード | 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 増殖 / 分化 / アルカリフォスファターゼ / dentin bridge / 4-META / MMA-TBB-O / マクロファージ |
研究概要 |
本研究の目的は歯髄細胞の象牙芽細胞への分化ならびに機能発現を制御する因子とその機序を解明することである。培養歯髄細胞の増殖と分化について明らかにするためにin vitroの実験を、移植による歯髄細胞の象牙芽細胞への分化を検索するためにin vivoの実験を、そして接着性レジンの1種である4-META/MMO-TBB-Oレジンの露出歯髄への応用による歯髄細胞の増殖と分化について検討するためにin situの実験を行なった。 In vitroの実験では培養歯髄細胞が歯根膜や骨髄の細胞と比較して明らかに高いアルカリフォスファターゼ活性を示した。しかし、培養細胞の増殖能は骨髄、歯根膜、歯髄の順で、歯髄細胞の増殖能は弱いことが判明した。また、in situの実験で4-META/MMA-TBB-Oを歯髄組織に応用した結果、dentin bridgeの形成が約半数に認められたものの、残りの半数にはdentin bridgeは形成されなかった。象牙芽細胞の出現状況もdentin bridgeの形成状況と同様、約半数にのみ象牙芽細胞が認められた。さらに、長期例では歯髄内に多数のマクロファージが出現していた。 高いアルカリフォスファターゼ活性を示し、増殖能が弱い歯髄細胞はかなりの程度にまで分化した細胞であると考えられた。象牙芽細胞が出現し、dentin bridgeが形成される例が約半数であったことから、4-META/MMO-TBB-Oの成分が細胞の分化に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。また、歯髄内のマクロファージの出現は、(] SY.encircleda. [)4-META/MMo-TBB-O中に含まれるほう酸が微量ながら溶出したため、(] SY.encircledb. [)接着性レジンの界面が粗造であるため、Ruhophiliaとして知られる現象によって、マクロファージが集積した可能性が考えられた。
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