研究課題/領域番号 |
04454458
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
森 昌彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (00076001)
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研究分担者 |
住友 伸一郎 朝日大学, 歯学部, 助手 (50216496)
玄 景華 朝日大学, 歯学部, 助手 (90215137)
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キーワード | オンコジン / プロトオンコジン / 唾液腺腫瘍 / 口腔粘膜腫瘍 / EGF receptor / PCNA |
研究概要 |
唾液腺腫瘍におけるC-erbB-2の発現は良性腫瘍では認められず、悪性腫瘍においてもその出現は稀である。平成4年度に検索したFos、Mic familyなどの癌遺伝子関連物質については口腔領域の腫瘍、唾液腺腫瘍ともにその発現を見いだせなかった。 EGF receptorは歯原性嚢胞では比較的高率(keratocyst 60%、primordial cyst 75%、radicular cyst 35%、follicular cyst 48%)に発現しているにもかかわらず、歯原性腫瘍にはほとんどその発現を認めないことが判明した。 正常唾液腺、唾液腺腫瘍、口腔粘膜癌、前癌病変における細胞分裂動態をPCNAを用いて検索した結果、正常唾液腺ではG1、S期の細胞はほとんど認められないが、多形性腺腫、Warthin腫瘍などの良性腫瘍では約5%、腺様嚢胞癌、粘表皮癌などの軽度から中等度悪性腫瘍では5〜10%、高度悪性を示す未分化癌では20%以上にPCNA陽性像を認めた。口腔粘膜癌においては、高分化型で9%、中等度分化型で14%、低分化型で10%、口腔粘膜白板症においては22%のPCNA陽性率であり、悪性度と、PCNA陽性率の間に相関は見いだせなかった。 口腔粘膜癌におけるMAM-3、MAM-6抗原の陽性率は約40%であり、それらの腫瘍細胞内での分布は(1)細胞膜陽性、(2)細胞質陽性、(3)陰性の3typeに分類できる。さらに、特に細胞膜におけるこれらの抗原の存在と癌細胞の浸潤性との間に相関性が見られ、細胞の癌化、悪性化によって細胞膜に含まれる糖鎖構造が変化することが示唆された。
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