研究概要 |
平成5年度に行った研究によって得られた成果 1.細胞培養 (1)骨芽細胞様細胞株 MC3T3E1細胞の継代培養が順調に行われ、実験材料としての細胞供給は満足すべき状況となっている。 2.ノーザンブロット分析 (1)MC3T3E1細胞からのTotal RNAの抽出技術は完成し、必要に応じて供給可能となり、ノーザンブロット分析の試料供給に不安は無くなった。 (2)アガロース電気泳動,ナイロンメンブレンへのトランスファー,遺伝子標識,ハイブリダイゼーション,オートラジオグラフィーなど、一連のノーザンブロット分析のための技術が完成した。 (3)Poly(A)^+RNAの抽出はがDynabead's oligo(dT)25を用いて順調に行くようになった。 (4)cDNAがアマシャムのcDNA合成キットを用いて行えるようになった。 (5)λgt10を用いてc-fgr cDNA クローニンを現在行っているところである。 3.新知見 (1)MC3T3-E1細胞を10日間培養したのち、24時間無血清培養液に置き、引き続き、牛胎児血清あるいはEGFの処理時間を0,5,10,15,30,60分間と細分して調べてみると、メッセージの発現が認められ、その程度は30分で最も高いことが判明した。 (2)上記のことは低カルシウム環境で増強されていることが認められ、経時的には30分において最も増強する程度が高いことが示された。 (3)EGF処理で増強した c-foз mRNA発現(低カルシウム環境下)の程度はチロシンキナーゼ阻害化学物質のゲニステインの併用で抑制された。 今後の研究の展開に関する計画 1.直接的なチロシンキナーゼmRNAの発現について:市販のチロシンキナーゼDNAプローブを用いて調べる。 遺伝子バンク(JCRB)からc-fgr,c-зrcの供与を得、大腸菌を用いて、培殖させる技術を完成させることが必要である。 2.チロシンキナーゼ遺伝子の転写活性について:TBP,TF II D,TF II FなどについてGel Shift Assayを行い調べる。
|