研究概要 |
平成6年度に行った研究によって得られた結果 1.ノーザンブロット分析 (1)MC3T3-E1細胞からのTotalRNAの抽出技術は完成し、必要に応じて供給可能となり、ノーザンブロット分析の試料供給に不安は無くなった。 (2)アガロース電気泳動、ナイロンメンブレンへのトランスファー、遺伝子標識、ハイブリダイゼーション、オートラジオグラフィーなど、一連のノーザンブロット分析のための技術が完成した。 (3)Poly(A)^+RNAの抽出はDynabead's oligo(dt)25を用いて順調に行くようになった。 (4)cDNAがアマシャムのcDNA合成キットを用いて行えるようになった。 (5)λgt10 c-fgr cDNAクローニンを現在行っているところである。 (6)転写因子AP-1(c-fos c-junのヘテロダイマー)のGel Shift Assayが可能となった。 新知見 (1)MC3T3-E1細胞を10日間培養したのち、24時間無血清培養液に置き、牛胎児血清あるいはEGFの処理時間を0,5,10,15,30,60分間と細分して調べてみると、メッセージの発現が認められ、その程度は30分で最も高いことが判明した。 (2)上記のことは低カルシウム環境で増強されていることが認められ、経時的には30分において最も増強する程度が高いことが示された。 (3)EGF処理で増強したc-fos mRNA発現(低カルシウム環境下)の程度はチロシンキナーゼ阻害化学物質のゲニステインの併用で抑制された。 (4)転写因子のAP-1(c-fos c-junのヘテロダイマー)がGel Shift AssayでMC3T3-E1細胞に見い出された。 今後の研究の展開に関する計画 1.直接的なチロシンキナーゼmRNAの発現について:市販のチロシンキナーゼDNAプローブを用いて調べる。 遺伝子バンク(JCRB)からc-fgr c-srcの供給を得、大腸菌を用いて、増殖させる技術を完成させることが必要である。 2.チロシンキナーゼ遺伝子の転写活性について:NFχB,AP-1,TBP,TFIID,TFIIFなどについてGel Shift Assayを行ない調べる。
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