研究課題/領域番号 |
04454466
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
俣木 志朗 長崎大学, 歯学部・歯科薬理学講座, 助教授 (80157221)
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研究分担者 |
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部・歯科薬理学講座, 教務職員 (10176612)
西下 一久 長崎大学, 歯学部歯科薬理学講座, 助手 (20237697)
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部・歯科薬理学講座, 助手 (40225769)
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キーワード | osteocalcin / ラット / 日周期性 / カルシトニン |
研究概要 |
まず最初にラット脛骨、大腿骨よりosteocalcinを大量に精製しN末端10残基のアミノ酸配列を同定して確認した後、酵素免疫測定法の標準物質として、また完全分子型のosteocalcinとして本研究に供した。Osteocalcinの酵素消化に用いる、cathepsin B,Lをラット腎臓のライソゾーム画分から精製を行ったが、酵素活性を維持させることが困難であることもあり、まずこれらの精製が完了する前に、消化実験の実験条件を設定する目的で、類似の酵素特性を持つpapainによるラットosteocalcinの消化実験を行った。得られた断片化osteocalcinのアミノ酸配列を決定した結果、骨から精制したラットosteocalcinのアミノ酸配列は、従来報告されているラット骨肉腫細胞のcDNAから予測されたものとは一部異なることが示された。この点については、さらに切断する部位の異なる酵素を用いてアミノ酸配列の違いについて検索をすすめる予定である。一方in vivoの実験系として血清中osteocalcinの生理的な変動として日内変動、日周期性、加齢の影響を検討した。ラットの血清中osteocalcinレベルは昼間高く、夜間低い周期性のある日内変動を示し、成長とともに減少してゆくことが明らかにされた。また分子構造特異的な酵素免疫測定法の性格づけのため、低Ca食飼育およびカルシトニン投与実験を行った。その結果、本測定系で定量されるN末端領域osteocalcinの変化は骨吸収の局面を反映しうることが示唆された。さらにヨウ素ラベルしたラットosteocalcinを静脈内注射し、各々の実験条件における血漿クリアランスを検索した結果、実験条件による血漿中半減期に有意差は認められず、我々がこれまでに行ってきた実験において観察されるosteocalcinの変動が、代謝速度の違いによるものではなく、骨改造現象に伴って血清中に出現する分子構造の異なるosteocalcinの変動を検出していることが確認された
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