研究課題/領域番号 |
04454471
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80165993)
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研究分担者 |
北村 正博 大阪大学, 歯学部, 助手 (10243247)
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70239490)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70187425)
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 歯周炎 / ハイリスク患者 / 多変量解析 / 診断法 / 宿主免疫応答 / 歯周ポケット細菌叢 / 歯肉溝浸出液 / 炎症メディエーター |
研究概要 |
本研究の目的は、臨床的因子、さらに歯周炎の病原因子である歯周ポケット細菌とそれらに対する局所的および全身的な生体応答を多面的に解析することにより歯周炎ハイリスク患者の診断法を確立することである。そのため、メインテナンス期の歯周病患者を被験者として、プロービング深さ(PD)の経時的変化を指標に歯周病ハイリスク患者の検出を行い、その結果、悪化率10%を越えハイリスクと考えられる患者群の存在が明らかにされた。さらに、PD悪化部位およびハイリスク患者群を特徴づける臨床パラメーターの検討を行い、個々の悪化部位と関連の深いパラメーターを明らかにすることはできたが、ハイリスク患者群に特徴的な臨床パラメーターを見いだすことはできなかった。そこで、これらハイリスク患者群において、全身的な免疫応答をTリンパ球機能ならびに体液性免疫応答の面から検討を行うとともに、歯周病巣局所における細菌叢ならびにその病態を歯肉溝浸出液中(GCF)の炎症メディエーターを指標として検討した。その結果、ハイリスク群においては、Tリンパ球機能、すなわち自己リンパ球混合培養反応(AMLR)やTリンパ球の機能マーカーについてローリスク群との間に差は認められなかったが、Actinomyces viscosusに対する血清IgG抗体価の低下が認められた。しかし、ポケット細菌叢の検討ではA.viscosusの検出率に両群間で差は認められなかった。また、ポケット細菌叢中のSpirochetesの存在比率が有意に高いこと、さらにGCF中のIL-1β濃度が有意に高いことが示された。これらの結果は、ハイリスク患者の歯周病巣局所においてSpirochetesの多く存在する活動性病変が形成されるとともに、ある種の歯周病原性細菌に対する特異抗体産生における低応答性が生じている可能性を示唆するもので、本研究により歯周病ハイリスク患者診断法確立のための方向付けを行えたものと考える。
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