メルコックス・ロ-ダミンによる辺縁漏洩試験とは、血管構築に使用されている低粘度レジンであるメルコックスに蛍光色素であるロ-ダミンBを溶解して作成したメルコックス・ロ-ダミン溶液を浸透液として使用し、試料を浸漬したまま、圧力容器内で5kg/cm^2の圧力を加えて行う辺縁漏洩試験法である。 今までの辺縁漏洩試験法である色素浸透法では、色素浸透後、試料をスライスして、その平面の色素浸透状態、即ち漏洩状態を観察していたので、平面的で非連続的な漏洩状態を観察しているに過ぎなかった。 メルコックス・ロ-ダミン法は、浸透液ガレジンであるために酸にも溶解しないので、試料をスライスする事もなく、試料を硝酸で脱灰し、エナメル質象牙質総てを溶解して、修復物のみを取り出し、修復物表面に浸透液が溶解せずに付着したままとなって、漏洩状態を直ちに立体的に観察出来る事を特徴としている辺縁漏洩試験法であるが、そのほか従来の方法と異なり次のような特徴をもつ事がわかった。 (1)従来の色素浸透試験法と同等以上の成績をおさめる辺縁漏洩試験法である。 (2)コンポジットレジンの製品間に明らかな漏洩度の違いが見られる試験法である。 (3)比較的簡単に、漏洩場所や、漏洩経路が観察出来るとともに画像解析装置によって、容易に数値化出来、統計処理も行える漏洩試験法である。 (4)漏洩経路や、漏洩範囲が、三次元的平面や三次元的立体として観察出来るので、複雑な漏洩状態でも観察出来る非常に優れた辺縁漏洩試験法である。
|