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1993 年度 実績報告書

抗悪性黒色腫モノクロナール抗体を用いた抗体結合抗癌剤の実験的化学療法

研究課題

研究課題/領域番号 04454498
研究機関三重大学

研究代表者

乾 眞登可  三重大学, 医学部, 助教授 (70159961)

研究分担者 森 厚  三重大学, 医学部附属病院, 助手 (00239592)
野村 城二  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80172815)
キーワード悪性黒色腫細胞 / リポソーム / シスプラチン / モノクロナール抗体 / Fab' / 原子吸光分光光度計
研究概要

抗悪性黒色腫モノクロナール抗体および同抗体をペプシン処理したFab'をシスプラチン封入リポソームに結合し(Ab-Lip-CDDP,Fab'-Lip-CDDP),悪性黒色腫細胞に対する抗腫瘍効果をin vitroでシスプラチン封入リポソーム(Lip-CDDP),シスプラチン(CDDP)と比較検討した.また担悪性黒色腫ヌードマウスに投与しプラチナの組織内濃度を測定した.
細胞は当科で樹立,維持しているHMGを用いた.モノクローナル抗体は悪性黒色腫細胞の表面抗原を認識するマウスIgG抗体でHMGに結合能を示し,ハイブリドーマ培養上清よりプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製した。抗体とリポソームの結合にはS-S結合架橋剤であるSPDPを用いたが,Fab'では抗体のSH基を利用した.リポソームは構成脂質として卵黄フォスファチジルコリン(PC),コレステロール(CH),フォスファチジルエタノールアミンとSPDPの合成物質(DTP-DPPE)をモル比26:10:0.4とした.
in vitroでのHMGに対するAb-Lip-CDDPの抗腫瘍効果は,Lip-CDDPの約2.5倍,CDDPの約20倍であり,他の2群に比し有意差を認めた.しかしFab'-Lip-CDDPでは,CDDPと同等の効果であった.in vivoにおけるAb-Lip-CDDP投与時のプラチナの組織内濃度は腫瘍でLip-CDDPの約1.4倍,CDDPの約2倍であった.腎臓ではLip-CDDPの約70%,CDDPの約50%に減少した.
これらの結果からモノクロナール抗体結合抗癌剤封入リポソームによる化学療法は,腫瘍組織に対する特異性を高めると共に副作用の軽減を目的としたターゲット療法として,非常に有用であると考えられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 福森哲也,森厚,乾眞登可,田川俊郎,村田睦男,他: "Carboplatin封入Liposomeの抗腫瘍効果の検討" 日本口腔科学会雑誌. 42. 934 (1993)

  • [文献書誌] 福森哲也,野村城二,田川俊郎,他: "Cisplatin封入Liposomeの骨肉腫培養細胞株に対する効果" 日本口腔外科学会雑誌. 38. 2171 (1992)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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