研究課題/領域番号 |
04454500
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤下 昌巳 大阪大学, 歯学部, 助教授 (50028809)
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研究分担者 |
加藤 幸夫 広島大学, 歯学部, 教授 (10112062)
高橋 章 大阪大学, 歯学部, 助手
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キーワード | 顎関節 / 滑液 / インターロイキン-1 / 関節軟骨 |
研究概要 |
1、現在までに顎関節二重造影時に顎関節の滑液を採取した患者は平均年令44.7才、男女比1:6、平均病悩期間は5年6ヶ月であった。また関節の雑音を主訴にもつもの39.5%、疼痛をもつもの76.7%、機能障害があるもの69.8%であった。さらにエックス線学的な診査により下顎頭にerosiveな変化を認めたもの44.2%、osteophyteを認めたもの32.6%、円板の穿孔が考えられた症例は55.8%であった。 2、IL-1の軟骨細胞に対する作用は多岐にわたるため、軟骨細胞培養系を用いてまずIL-1の作用について検討した。IL-1は関節軟骨細胞に対して良く分化した軟骨細胞の増殖は抑制するが、脱分化した細胞はむしろ増殖を促進した。また、IL-1の添加により濃度依存性に細胞外基質、特に軟骨型プロテオグリカンの合成を抑制すると共に分解を促進した。この結果軟骨細胞外に蓄積するプロテオグリカン量は減少するが、IL-1を培養液中から除くとプロテオグリカン量は経時的にコントロール群にまで回復した。さらに、IL-1は成長板軟骨細胞において軟骨の形態的な肥大化、アルカリホスファターゼ活性の上昇、X型コラーゲンの発現と蓄積、1,25ビタミンD_3レセプターの発現といった成長板軟骨細胞の最終分化を100pg/mlの濃度で強力に抑制した。このIL-1の濃度では^<35>Sメチオニンのトータルの蛋白への取り込みを抑制せず、特異的に最終分化を抑制したと考えられる。成長板軟骨細胞の最終分化を抑制した結果、^<45>Caの細胞外基質への取り込み、細胞外基質に蓄積したカルシウム含量は著しく減少した。
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