研究課題/領域番号 |
04454504
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
長畠 駿一郎 香川医科大学, 医学部, 教授 (10033375)
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研究分担者 |
三宅 実 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20239370)
谷崎 明弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40227228)
鶴田 敬司 香川医科大学, 医学部, 助教授 (70180057)
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キーワード | BMPとHAPの複合移植 / BMPの骨誘導能 / HAPの骨伝導能 / 異所性骨形成 |
研究概要 |
我々の教室で考案した血管密着型培養器にBMPとHAPの複合移植を行い、成犬の総頸動脈壁での異所性骨形成に関して以下の結果を得た。 [実験方法] 前年度に引き続き以下の実験を行った。 1.牛骨からの骨形成蛋白(BMP)の抽出、精製 2.上記の方法によって得られたBMPとHAPをポリプロピレン製の血管密着型培養装置に混合充填し、成犬の総頸動脈壁に取付け、一定期間飼育後、資料を採取し、脱灰および非脱灰の薄切切片標本を作製し、病理組織学的に観察した。観察時期は移植後7日目、14日目、28日目、60日目、90日目である。 [実験結果] 1.本実験に用いた血管密着型培養装置内の培養環境は、内容液分析の結果、非常に優れた環境であることが確認された。 2.BMPとHAPの複合移植における異所性骨形成実験では、7日目、HAP周囲に線維性結合組織が増生し、線維芽細胞が増生配列していた。14日目、BMPは吸収され、一部未熟な線維性の骨形成が認められた。28日目、毛細血管の新生とHAP周囲に沿った線維性の骨新生が観察され、新生骨では吸収と添加のリモデリングがみられ、一部骨髄様組織の形成もみられた。60日目、毛細血管の新生が著明で、旺盛な線維性の骨新生が観察され、とくにHAPの表面に沿って、連続した骨が形成されていた。90日目、旺盛な骨形成はみられなくなったが、新生骨は層板構造を呈し、骨の成熟化が認められた。また新生骨の周囲には扁平な静止期様の骨芽細胞が観察された。 以上より、血液の豊富な本実験の培養環境下では軟骨性骨化ではなく、線維性の骨化形式をとることが明らかになった。またHAPは担体としての重要な役割を果たしていた。 今後、電顕用試料を作製し、新生骨およびHAP周囲の電顕的観察を行うとともに電気泳動によるBMPの蛋白分析を行う予定である。
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