研究課題/領域番号 |
04454508
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
清水 正嗣 大分医科大学, 医学部, 教授 (90013846)
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研究分担者 |
木村 光孝 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70047801)
河野 憲司 大分医科大学, 医学部, 助手 (50214664)
松島 りん太郎 大分医科大学, 医学部・, 助手 (10209546)
水城 春美 大分医科大学, 医学部・, 講師 (40145397)
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キーワード | 口腔領域腫瘍 / 口腔癌 / 臨床的悪性度 / 治療法選択 / 増殖能 / 浸潤能 / 抗癌剤感受性 |
研究概要 |
1)53才女性の舌扁平上皮癌原発巣から2種類の癌細胞株(MOK-102,MOK-103)をクローニングした。現在、両細胞株の性状を検索している。さらに75才男性の歯肉扁平上皮癌原発巣からも継代可能な細胞を得ることができ、細胞株を樹立中である。 2)増殖能、浸潤能assayを癌細胞株(MOK、SCC9、SCC25)で実施した。 a)増殖能assay:Human tumor clonogenic assay(Hamburgerら)と軟寒天内コロニー形成法(黒木)を試みた結果、後者は前者に比べて方法が容易であり、より安定したコロニー形成を示した。この際、培地はDMED/F12+10%FBSを用い、また上層寒天濃度は0.33%が最適であった。現在、形成コロニーの形態的観察とともに、本法による抗癌剤感受性試験の準備を進めている。 b)浸潤能assay:線維芽細胞を包埋したcollagen gel matrix内への癌細胞株(MOK,SCC9)の侵入を検索した。当初、線維芽細胞は癌組織から分離したもの(以下、ヒト線維芽細胞)を用いたが、この様な線維芽細胞は数回の継代で死滅するため、Swiss 3t3株とMRC-5株の2種類の線維芽細胞株を使用した。癌細胞のgel内侵入は、ヒト線維芽細胞を包埋した場合はgel辺縁に限局し、ごく低頻度であった。一方MRC-5を用いるとMOK、SCC9ともに高頻度にgel内へ侵入した。またSwiss 3t3を包埋すると、MOKはgel内侵入を示したが、SCC9はgel表面への付着が阻害され、gel内への侵入も示さなかった。なお線維芽細胞を包埋しないgelでは癌細胞侵入は起こらなかった。以上の結果より、癌細胞のgel内侵入に線維芽細胞がなんらかの役割を果たしており、しかも線維芽細胞の種類が関係することがわかった。現在、線維芽細胞の産生する液性因子の方面からの検索、ならびにin vivoにおける浸潤態度と本法の結果の相関性を検討している。なお、SCC9、SCC25、Swiss 3T3、MRC-5は大日本製薬から購入した。
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