研究課題/領域番号 |
04454516
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 博之 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (20184492)
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研究分担者 |
山村 雅彦 北海道大学, 歯学部, 助手 (90220441)
土田 隆彦 北海道大学, 歯学部, 助手 (00197708)
松野 功 北海道大学, 歯学部, 助手 (60199825)
今井 徹 北海道大学, 歯学部, 講師 (40160030)
中村 進治 北海道大学, 歯学部, 教授 (80001791)
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キーワード | 唇顎口蓋裂 / 裂隙 / 瘢痕組織 / レーザドップラー効果 / 組織血流量 / 生体計測 / 上顎劣成長 / 歯列狭窄 |
研究概要 |
本年度は、まずレーザドップラー血流計(Perimed社製 Periflux PF3)を現有設備である当教室所蔵のマイクロコンピュータシステムに接続して作動試験を行い、皮下血流のモニタリングが適切に行われていることを確認した。また予備実験として、成人非破裂者を対象に口蓋表層部の血流量の測定を行ったところ、測定部位のわずかなずれやプローブの接触方向により測定値がかなり変動しやすいことを認め、安定した測定方法の考案が必要となった。そこで、被験者の口腔内の印象採得を行い上顎歯列模型を作製し、これをもとにレジン製のプローブ保持用シーネを製作した。現在、これにより口蓋表層部血流量の安定したモニタリングが可能となっている。 次に、このような測定装置を用いて、成人片側性唇顎口蓋裂患者2名および成人非破裂者2名を対象に、圧刺激による口蓋表層部血流量変化のモニタリングを行った。方法は、まずプローブの先端が可及的に粘膜に接するようにシーネに固定して定常状態の測定を行い、さらにプローブを0.5mm沈下させ20秒間圧を加えた後に開放して一連の血流量の変化を観察した。その結果、以下の知見を得た。 1.非破裂者では、口蓋表層部のいずれの部位においても圧にともなう血流量の減少と圧の開放にともなうリバウンドが認められた。これは正常粘膜組織における血管の生理的な反応が観察されたものと思われた。 2.片側性唇顎口蓋裂患者では、術後瘢痕組織の分布すると思われる口蓋中央部において、圧にともなう血流量の減少は認められたが、開放にともなうリバウンドは確認されなかった。すなわち正常粘膜組織とは異なった血管反応をもつことが示唆された。 今後は、圧刺激の条件設定やデータの再現性についてさらに検討を加える必要がある。
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