研究課題/領域番号 |
04454527
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長澤 滋治 北海道大学, 薬学部, 教授 (70029958)
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研究分担者 |
山下 俊之 北海道大学, 薬学部, 助手 (90192400)
高橋 和彦 北海道大学, 薬学部, 助教授 (10113581)
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
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キーワード | 補体 / 免疫 / アナフィラトキシン / 生体防御 / 血管内皮細胞 / レセプター |
研究概要 |
1)ヒスタミンによるヒト血管内皮細胞(HUVEC)の補体制御因子の発現調節:炎症刺激により肥満細胞から放出されたヒスタミンは、血管内皮細胞を拡張して、浮腫、発赤などの炎症反応を惹起する。血管内皮細胞には、自己の補体活性化を抑制する3種類の膜蛋白質が発現しているが、ヒスタミン刺激によりこれら補体制御因子の発現量が変動することを明らかにした。これは、炎症での補体活性化による自己の血管内皮細胞障害を抑制する防御的な機構として興味深い。(J.Immunol.印刷中) 2)ヒト補体制御因子(MCP、DAF)のキメラ分子の作製とその機能解析:MCPとDAFは自己の細胞膜を自己の補体攻撃から保護する膜蛋白質である。遺伝子工学的手法により両蛋白質を接続したMCP-DAFキメラ蛋白質を作製し、それぞれ単独の場合との活性について比較検討した。MCP-DAFは抗体非依存的な補体活性化経路(第二経路)にたいして強い制御効果を示すことを明らかにした。(J.Immunol.印刷中) 3)Clqレセプターを介した食細胞の活性化:免疫複合体が生成すると補体が活性化され、免疫複合体にClqが結合する。食細胞には抗体とClqとのレセプターが別個に存在して、Clqで標識された免疫複合体を取り込む。この反応でのClqレセプターの役割を解析したところ、Clq単独刺激で食細胞の機能が亢進することを明らかにした。一般に、免疫複合体の処理に伴って食細胞内で生成した活性酸素の一部は細胞外に放出されるが、Clq刺激によりこの細胞外放出率が顕著に低下した。これは、活性酸素による組織障害を防止する機構として興味深い。
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