研究課題/領域番号 |
04454535
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
小河原 宏 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00097198)
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研究分担者 |
浦辺 宏明 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (20201361)
東 恭一郎 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (10189748)
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キーワード | 放線菌 / 薬剤耐性 / 遺伝子発現 / アクチベータータンパク質 / ヌクレオチド配列 / β-ラクタメース / クローニング / 進化 |
研究概要 |
抗生物質等生理活性物質生産菌Streptomyces cacaoiのβ-ラクタメース遺伝子の発現活性化領域約2.7KbDNA断片のヌクレオチド配列を決定した。コンピューター解析により一方向に3個、逆方向に1個の計4個のORFが推定された。ORFI(BlaA)は326個のアミノ酸よりなり、その配列は他の細菌のLysRファミリーアクチベータータンパク質のものに類似していた。実際にこの領域にBamHIリンカーを挿入すると、生産されるβ-ラクタメース活性は50単位/mlより1単位/mlへと激減した。このBLaAタンパク質はβ-ラクタメース構造遺伝子とblaA遺伝子の間のヌクレオチド領域に結合することが、ゲルシフトアツセイにより判明した。ORF2(BlaB)のアミノ酸配列はpBR322のβ-ラクタメースのものと類似するが、β-ラクタメース活性を発現するのではなく、この領域へのBamHIリンカーの挿入によりβ-ラクタメース活性が減少することから、アクチベーター/レギコレータータンパク質として機能していると考えられる。このBlaBタンパク質にはβ-ラクタムの結合に関与するアミノ酸配列が存在することから、β-ラクタムによる誘導にも関与するものと推定される。Siヌクレアーゼマッピングによりアクチベータータンパク質の転写は翻訳開始点あるいはそのごく近くより開始し、BlaAとBlaBはオペロンを形成していることが明らかとなった。またこのBlaA/BlaBによるβ-ラクタメース発現活性化は転写レベルで起きることも判明した。 上記のものと異なるOXA型と関連するβ-ラクタメース遺伝子を放線菌Streptomyces fradiaeおよびStreptomyces lavendulaeよりそれぞれ7.7KbのBamHI断片、7.6KbのBelI断片としてクローニングした。現在発現に必須な領域を限定すると共に、それぞれヌクレオチド配列を決定すべく検討中である。
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