超音波画像の三次元表示の高速化をすすめた。概略の三次元像表面表示、三方向の断面を示すだけであれば数秒から数分で画像を得ることが出来る。三次元像の表示法として、(1)トリプレイン表示、(2)Bird´s eye View、(3)マルチ断面表示、(4)表面表示、(5)シエーディング表示、(6)管腟表示、色相表示、(7)ビーム積算表示、(8)ビーム積算最変値表示などを考案し実現した。マルチ表面表示は未完成である。三次元表示法について多くの研究者の報告があるが、我々は専用スキャナーを作製し、画像処理の為のコンピュータシステムを高速化し、これまでにない早さで3次元像を保る事が出来た。これまでにもちいられている表示法を取り入れ、それらの長所、短所をチェックした。新しい表示法として管腟表示法、ビーム積算法、ビーム積算最高値表示法および色相表示を作製した。これらの新しい表示法の臨床的効果を今後チェックする予定である。 積算表示法は、R1におけるシンチグラフィーのような画像となり、あいまいな腫瘤境界を強調したり、トローを増強したりすることが出来るため、診断に役立つものと考えられた。また、最高値表示により、手の中の腱や節のエイキヨウをなくし、骨、関節の画像を得ることが出来ると考えられた。今後新しい領域を展開すると推察された。腫瘍の球面展開はソフト開発を行っているところである。次年度には完成させたい。 腫瘍の三次元画像、胎児などの三次元画像を作製することにより、二次元像では知り得ない情報を得ることが出来た。一つは腫瘍の内部から観察した壁構造がよく判り、悪性・良性の判定に利用可能であると思われた。胎児の〓帯の巻絡などが容易に判定出来た。 今後三次元画像でなければ知る事の出来ない情報が多く得られるみとおしが出来たので次年度へのとり組みも予定通りである。
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