超音波による三次元超音波診断装置の高速化のためのソフトを作製し、各種の超音波三次元像の表示方式を完成した。(1)トリプレイン表示は4秒間にえられた128枚の2次元画像からXYZ方向の3断面像を作図してリアルタイムに表示する。(2)断面表示(bird′s eye view)はXYZの3方向の断面を合わせて作った鳥観図である。(3)マルチ断面表示(multi trimming view)は3方向の断面の重ね合せを作る。(4)表面表示(surface view)は我々が日常に周囲を見ているような光景を観察する。(5)マルチ表面表示(multi surface view)は表面表示を任意の面でトリミングして断面と表面を組み合わせる。(6)シェ-デイング表示は表面の凹凸を強調する目的にコンピュータグラフイック分野で用いるシェ-デイング法による輝度づけである。(7)内視表示(endoscopic view)は物体(臓器、病変、など)の中に入っていくもので、内部から病巣を観察する様なもの。(8)菅腔表示(cyst&canal view)は血管等のような菅腔構造や嚢胞を白黒反転させて表示し、立体的な関係を判定する。(9)色相表面表示(color surface view)はカラーコ-デイングして、二つの物質の性質の違いを示す。(10)ビーム積算表示(integrated view)は任意の厚みの中の全ての情報を積算し表示する、シンチグラフイ-のようなものである。(11)ビーム積算最高値表示(maximum integrated view)は任意の厚みの積算情報の最高のエコーの値を表示するもので、骨等のようなエコーの強いものをひろいだそうとするものである。(12)これらの表示は静止画像と動画像が表示可能である。3次元超音波画像を得るためには、我々の作成した専用スキャナーは角度60度、電子-機械スキャン方式によるものである。128枚の2次元画像を4秒間で扇形画像としてコンピュータに送り込むことができるようにしている。臨床例は肝癌、甲状腺癌、乳腺癌、ぼうこう癌、胆嚢結石、後腹膜腔腫瘍、胎児、無脳児、手の骨などについて各々の特徴を示す三次元表示法で作製した。球面展開図についてはソフトの作製になお時間が必要である。
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