研究課題/領域番号 |
04454551
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
氏家 幸子 大阪大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90030006)
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研究分担者 |
田中 結華 大阪大学, 医療技術短期大学部, 助手 (80236645)
阿曽 洋子 大阪大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80127175)
丸橋 佐和子 大阪大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30030018)
大中 幸三郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (60127199)
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キーワード | 半背臥位と側臥位 / 圧迫部位の組織 / 深部温 / 血流 / 褥瘡予防 / 体位変換の効果 / 精神的刺激の必要 |
研究概要 |
老人の褥瘡発生に及ぼす因子を、全身状態と圧迫部位の組織の循環動態から検討した。測定は体温(水銀体温計)、血圧(水銀血圧計)、脈拍(触診法)、皮膚温(タカラサーミスタ-HD111)、深部温(テルモ深部温モニター)、血流(レーザー血流計ALF21D)でプローブはC・S型と特注超薄型を用いた。被験者は前期高齢者と、その対象として青年(22〜22歳、女子学生)とした。 成績:1)体温・脈拍・血圧については特に異常はなく、心筋酸素消費量(収縮期血圧×脈拍、PRP)の半背臥位と側臥位についての、体位変換直後と15分後の変化率100.0以上は半背臥位2<側臥位7であった。 2)仙骨部位の皮膚温の変化率は、半背臥位では5分後は100.0〜103.8であり、その後も上昇傾向にあった。これを側臥位でみると、5分後の変化は100.0〜103.8、10分後100.6〜104.1、15分後100.9〜105.9で、側臥位時の方が各人の変化率の差が少なく、しかも全員が経時的に上昇している。3)深部温については体位変換直後は半背臥位<側臥位であるが、その後の変化率は半背臥位>側臥位である。 4)仙骨部位の血流は、前年度実験においてプローブの圧迫による誤差が大きく、既製のプローブでは仰臥位の測定が不可のため特注したが、測定価に安定性がなく、研究方法を今後も開発したい。但し、血流値は体動がなくても発語や精神的緊張によって著しく上昇することがわかった。 まとめ:深部温と血流を中心とした変化率は、深部温は半背臥位>側臥位で特に15分後に差があり、血流は逆に側臥位>半背臥位で側臥位の上昇が早いことは、右側臥位では体位変換は半背臥位より側臥位の方が効果がある。また血流が体動だけでなく発語や精神的刺激によっても変化することは、褥瘡予防に看護者の声かけ等の刺激の必要が示唆された。
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