研究課題/領域番号 |
04454552
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山下 亀次郎 筑波大学, 臨床医学系代謝内分泌内科, 教授 (80015982)
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研究分担者 |
小海 康夫 国立小児病院小児医療研究センター, 病理病態研究部, 室長
松島 照彦 筑波大学, 臨床医学系代謝内分泌内科, 講師 (60199792)
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キーワード | 糖尿病性合併症 / アルドース還元酵素 / バキュロウィルス / 部位特異的変異誘発法 / トランスジェニックマウス / 分子生物学 / 蛋白工学 / 蛋白精製 |
研究概要 |
1.バキュロウィルスー昆虫細胞系を用いて発現させた組換えヒトアルドース還元酵素(hAR)の蛋白修飾に関する研究:態尿病性慢性合併症の研究、および新しいhAR阻害剤(ARI)の開発に役立つように、hARcDNAを導入したバキュロウィルスを用いて純度の高いhARを大量に供給するシステムを確立し、その分子量、等電点、酵素学的特性、既存のARIの効果、アミノ酸配列、蛋白修飾などがヒト組織中から精製されたARと同一であることを確認した。 2.hARの活性中心に関する研究:より効果が高く、副作用の少ないARIの開発のためには、hARの活性中心の構造を明らかにする必要がある。そこで部位特異的変異誘発法を用いて、さまざまな変異hARを作成し、Lys-263の残基が基質やARIとの結合に重要な役割をになっていることを明らかにした。 3.hARcDNAを導入したトランスジェニックマウス(hAR-Tg)の作成:糖尿病性慢性合併症におけるhARの関与を固体レベルで明らかにするために、ハウスMHCクラスI抗原のプロモーターにhARcDNAをつないだベクターを妊娠マウスの受精卵の雄性前核にマイクロインジェクション法を用いて導入し、hAR-Tgを確立した。 4.hAR-Tgの解析:各組織のmRNA、蛋白を用いて、それぞれ、ノザン、ウェスタンブロッティングを行ない、検索した全ての組織においてhARが発現していることを確認した。また、hARに対するモノクローナル抗体を用いて確立したELISAによる測定でも、litter mateでは発現していないhARの発現を確認し、組織中のAR活性もlitter mateと比較して、約5倍、高値であった。
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