研究課題/領域番号 |
04454555
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清野 進 千葉大学, 医学部, 教授 (80236067)
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研究分担者 |
石田 均 京都大学, 医学部, 助手 (80212893)
五ノ井 透 千葉大学, 真核微生物研究センター, 助手 (30134365)
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キーワード | カルシウム / インスリン / 膵ランゲルハンス島 / ブドウ糖 / 糖尿病 |
研究概要 |
本年度の研究は糖尿病発症候補遺伝子として、インスリン分泌におけるCaシグナルの調節に重要な因子である、1)電位依存性Caチャネル(VDCC)、2)G蛋白共役受容体(GPCR)に焦点をあて、それらの構造、機能を遺伝子レベル、分子レベルで明らかにすることを目的とした。 1)膵β細胞で発現するVDCC ラットの膵β細胞型のVDCCα1サブユニットのクローニングを行ったところ、すでに報告したヒトのα1サブユニットは95%以上のアミノ酸の同一性が認められた。C端がtruncationされているものも単離され、C端にはvariationが存在することが示された。膵ランゲルハンス島におけるβサブユニットの発現を検討した。β1、β2、β3いずれも発現が認められたがβ3が最も強く発現していた。CHO細胞、アフリカツメガエル卵母細胞いずれの系においてもα1-サブユニット単独ではチャネル活性を示さずβ-サブユニットをcoexpressionさせた時のみL型のcalcium電流が認められた。ヒト膵β細胞型VDCCα1サブユニットの遺伝子は120Kb以上に及び、合計50個のエクソンにより構成されていた。エクソンの長さは27bpから500bp以上を示すものまで様々であった。1個の細胞膜ドメインは1つのエクソンによりコードされている傾向が認められた。 2)膵β細胞で発現する新たなGPCR 新たなGPCRは437個のアミノ酸から構成されていた。CHO細胞で発現させたところ、この受容体はpituitary adenylate cyclase-activating polypeptide(PACAP)と特異結合が認められ、しかも、COS細胞の系ではPACAP刺激によりcAMPの増加が認められたことより、この受容体はPACAP受容体の新たなサブタイプ(PACAPR-3)であることが示された。またPACAPR-3 cDNAからin vitroでcRNAを合成し、アフリカツメガエルの卵母細胞で発現させたところ、PACAPによるCl^-電流が惹起されたことより、PACAPR-3はphospholipaseCとも共役しCa^<2+>シグナルを調節することが示唆された。
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