• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

マウス発生工学によるスカベンジャー受容体の生理的役割

研究課題

研究課題/領域番号 04454556
研究機関東京大学

研究代表者

児玉 龍彦  東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)

研究分担者 栗原 由紀子  東京大学, 医学部(病), 医員
松橋 信行  東京大学, 医学部(病), 助手 (10221590)
キーワードスカベンジャー受容体 / マクロファージ / 動脈硬化 / コレステロール / ラジカル反応 / コラーゲン / 遺伝子構造
研究概要

マウス発生工学を用いてスカベンジャー受容体の生理的役割と動脈硬化発症への関与を明らかにするため、(1)相同組み替えによるスカベンジャー受容体欠損マウスの作成、(2)動脈硬化関連遺伝子の異常を導入したマウス実験システムの作成、(3)動脈硬化好発マウス系による治療法の開発研究をすすめた.
(1)相同組み替えをもちいたスカベンジャー受容体欠損マウスの作成では、相同組み替えにより作成したスカベンジャー受容体遺伝子異常ES細胞のスクリーニングをすすめた.昨年作成したES細胞がgerm line transmissionがうまくいかなかったため、核型判定を導入し、2n=40が高率のES細胞の選択を行った.これをもちいてキメラマウスを作成したところ、体表でみるとES細胞の寄与の高いキメラの作成に成功した.現在このマウスからのgerm line transmissionを期待しているところである(3月ごろ出生予定).さらに、キメラマウス作成方法の改善のため、ES細胞のblastocyst injectionから、ES細胞と受精卵のcoculture法の開発を進め、エンドセリン欠損マウスではcoculture法により第二の欠損マウス系列作成に成功し、昨年樹立したエンドセリン欠損マウスの表現形がエンドセリン遺伝子とリンクしていることを証明した.
(2)スカベンジャー受容体過剰発現、コレステロールエステル転送蛋白過剰発現マウスの樹立に成功し、マウスで動脈硬化をおこしやすいC57BL6系列を遺伝的背景に、アテローム性動脈硬化の検討システムを作成した.
(3)このマウスシステムを用いて、LDL変性を抑制し、スカベンジャー受容体経路を介するコレステロール沈着、マクロファージの泡沫細胞化を防止する治療法の検討をおこなった.そのけっか、LDL変性抑制剤がアテローム性動脈硬化に有効であるためには、たんなる通常の抗酸化剤ではだめで、第一に動脈硬化惹起性リボ蛋白であるLDLやレムナントに局在すること、第二にLDLのなかでは表層脂質でなくcoreに移行しうること、第三に、生物学的酸化(リボキゲネースなどによる)を防止しうることが重要なことがわかってきた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Geng,J.Y.,Hanson,G.and et.al.: "Differential expression of scavenger receptor isoforms during monocyte-macrophage differentiation and foam cell formation." Athero.Thromb.impress. (発表予定). (1994)

  • [文献書誌] Luoma,J.and et.al.: "EXPRESSION OF α_2-MACROGLOBULIN RECEPTOR/DENSITY LIPOPROTEIN RECEPTOR-RELATED PROTEIN AND SCAVENGER RECEPTOR IN HUMAN ATHEROSCLEROTIC LESIONS." J.Clin.Invest.(発表予定). (1994)

  • [文献書誌] Kurihara,Y.and et.al.: "Disruption of mouse endothelin-1 gene results in lethality and craniofacial anomaly in homozygotes and elevated blood pressure in heterozygotes." Nature.(発表予定). (1994)

  • [文献書誌] Tanaka,T.and et.al.: "A synthetic model of collagen structure taken from bovine macrophage scavenger receptor." FEBS.334. 272-276 (1993)

  • [文献書誌] Takemura,T.and et.al.: "Apolipoproteins and lipoprotein receptors in glomeruli in human kidney disease." Kidney Int.43. 918-927 (1993)

  • [文献書誌] Emi,M.and et.al.: "Structure,Organization and Chromosomal Mapping of the Human Macrophage Scavenger Receptor Gene." J Biol Chem.268. 2120-2125 (1993)

  • [文献書誌] Doi,T.and et.al.: "Charged Collagen Structure Mediates the Recognition of Negatively Charged Macromolecules by Macrophage Scavenger Receptors." J Biol Chem.268. 2126-2133 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi