研究課題/領域番号 |
04454556
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部・(病), 助手 (90170266)
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研究分担者 |
栗原 由紀子 東京大学, 医学部・(病), 医員
栗原 裕基 東京大学, 医学部・(病), 助手 (20221947)
松橋 信行 東京大学, 医学部・(病), 助手 (10221590)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | スカベンジャー受容体 / マクロファージ / 動脈硬化 / コレステロール / ラジカル反応 / コラーゲン / 抗酸化剤 / 遺伝子構造 |
研究概要 |
マウス発生工学を血管生物学へ応用し、スカベンジャー受容体の役割の解明とアテローム性動脈硬化の新しい治療法の開発のため次の3つの課題での研究を進めた.(1)相同組み替え技術による遺伝子欠損動物作成の血管生物学への応用:ES細胞を用いたジーンノックアウト法は遺伝子の生理的役割を知るためには現在最も強力な方法として注目されている.我々はこの技術の応用を進めるため一連の基礎技術の開発を進めA3-1ES細胞からのジーンノックアウト技術の確立、核型判定による成功率の向上、coculture法でのキメラマウスの作成に成功した.これを用いて、エンドセリン欠損マウス作成に成功し、更にES細胞の寄与率の高いスカベンチャー受容体欠損キメラマウスの作成に成功している.(2)マウスでの動脈硬化関連遺伝子異常動物の作成:マウスはCETPの活性が低く、また血清コレステロール値が低いなどアテローム性動脈硬化は起こりにくいとされヒト疾患モデルとしてはいくつかの問題点がある.そこでヒトCETP過剰発現マウス、スカベンジャー受容体過剰発現マウスの樹立を行った.更にこれらのマウスをアテローム性動脈硬化を起こしやすいC57BL6の遺伝的背景に戻し交配により均質化しつつある.(3)マウス発生工学を応用したモデルシステムによる動脈硬化治療法の開発:このマウスシステムを用いてLDL変性を抑制しスカベンジャー受容体経路を介するコレステロール沈着、マクロファージの泡沫細胞化を防止する治療法の検討をおこなった.その結果、LDL変性抑制剤がアテローム性動脈硬化に有効であるためには、単なる通常の抗酸化剤ではだめで、第一に動脈硬化惹起性リポ蛋白であるLDLやレムナントに局在すること、第二にLDLの中では表層脂質でなくcoreに移行しうること、第三に、生物学的酸化(リポキゲネースなどによる)を防止しうることが重要なことがわかってきた.
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