研究課題/領域番号 |
04454564
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
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研究分担者 |
大橋 俊孝 岡山大学, 医学部, 助手
吉岡 秀克 岡山大学, 医学部, 助教授 (00222430)
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キーワード | IV型コラーゲン / α4(IV)鎖 / _cDNA / _mRNA / 基底膜 / 組織特異性 / 遺伝子発現 / 抗体 |
研究概要 |
IV型コラーゲンの新しい鎖である_α4(IV)鎖の一次構造を決定することを目的として、家兎_cDNAをプロープにしてヒト_α4(IV)鎖をコードする_cDNAを単離し、その性質を明かにすることを実施した。具体的にはヒト胎盤、腎臓、眼由来_mRNAを鋳型にして作成した三つの_cDNAライブラリーより、家兎_α4(IV)_cDNAを用いてスクリーニングし、数種のヒト_α4(IV)_cDNAクローンを得た。これらはお互いに重複しており、塩基配列を決定して解析すると、これらのクローンはヒト_α4(IV)鎖ポリペプチドのC末端側約1/3をコードするものであることがわかった。予想されるアミノ酸配列をいままでにわかっている他のIV型コラーゲン_α鎖と比較すると、C末端に存在するNC1ドメインに12個のシステイン残基が存在し、IV型コラーゲン分子を構成するのに特徴的な配列を呈していることがわかった。さらに_α4(IV)鎖をコードする遺伝子を単離することができた。この遺伝子断片の性質を調べて現在まで明かになっている5つのIV型コラーゲンをコードする遺伝子構造と比較した。その結果、遺伝子群として奇数系列の遺伝子群(COL4A1、COL4A3、COL4A5)と偶数系列の遺伝子群(COL4A2、COL4A4)にわかれることが明かとなった。このことは複数存在することがわかっているIV型コラーゲン分子がどのような鎖構成で作られるかという問題と関連している。IV型コラーゲン分子構成が組織特異的な基底膜の機能と直接関わりあっており、遺伝子の進化の問題と遺伝子の発現制御、さらには分子会合の問題を包含している。現在、5′側に伸長した_cDNAを単離することを試みており、最終的には塩基配列を決定して_α4(IV)鎖の一次構造を報告する予定である。_cDNA塩基配列から明らかになったアミノ酸配列より、ペプチド合成を行った、このペプチドに対する特異抗体を作成し、_α4(IV)鎖の組織分布を検索する予定である。
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