研究課題/領域番号 |
04454598
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
花岡 文雄 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 主任研究員 (50012670)
|
研究分担者 |
益谷 央豪 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 基礎特研 (40241252)
菅澤 薫 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 研究員 (70202124)
|
キーワード | DNAポリメラーゼα / 温度感受性突然変異株 / PCR-SSCP法 / 細胞周期 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
マウスFM3A細胞から我々が分離し、解析してきたDNAポリメラーゼαの温度感受性突然変異株、tsFT20、から180KサブユニットのcDNAを分離し、全塩基配列を決定した。その結果、1177番目のアミノ酸がセリンからフェニルアラニンに変化するような点突然変異を見出し、これが唯一の変異点であった。このts変異株に、野生株の180KサブユニットのcDNAをSRαプロモーターにつないだものを導入したところ、温度感受性が相補されたことから、この変異がts性を引き起こしていると結論した。さらにtsFT20細胞由来の復帰突然変異株の突然変異点をPCR-SSCP法およびdirect sequencing法により調べた。その結果、復帰突然変異株のいずれもが、tsFT20細胞の突然変異点はそのままで、その近傍に第二の突然変異点をもっていた。 前年度までに、マウスFM3A細胞のDNAポリメラーゼα/プライマーゼ複合体を構成する4つのサブユニット、180K、68K、54Kおよび46KのcDNAをクローニングし、全塩基配列を決定した。これらのcDNAをプローブとして、4つのサブユニット遺伝子の細胞周期における発現様式をノーザンブロット法により調べた。血清飢餓によりGO期に同調したSwiss3T3細胞では、4つのサブユニットの遺伝子はほとんど発現しておらず、血清刺激によるDNA合成に先立って、協調的に発現が誘導された。また、対数増殖期にあるFM3A細胞をエルトリエーション遠心法により分画し、細胞周期各時期の細胞におけるmRNA量を調べたところ、4つのサブユニットのmRNA量はS期にやや多く、G1とG2/M期では少なかった。180K、68Kのポリメラーゼサブユニットに比べ、54K、46Kのプライマーゼサブユニットの変動がより顕著であった。4つのサブユニットは同様の発現様式を示すことから、同一の発現調節制御を受けていることが示唆された。
|