研究課題/領域番号 |
04454613
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
牧野 耕三 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20181620)
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研究分担者 |
雨村 光子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (80159467)
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キーワード | リン酸レギュロン / アクチベーター / PhoB / RNAポリメラーゼ / シグマ70(rpoD) / helix-turn-helix motif / CreS / 定常期 |
研究概要 |
本研究では、まず大腸菌リン酸レギュロンのアクチベーターPhoBとRNAポリメラーゼとの相互作用点の決定を行なった。PhoBのドメイン解析の結果、C末端側の90アミノ酸の内にRNAポリメラーゼとの相互作用領域が存在することを明らかにした。さらにリン酸レギュロンの発現を特異的に低下させるRNAポリメラーゼのサブユニット・シグマ70(rpoD)遺伝子の変異体を分離し、その変異部位がシグマ70のC末端領域のhelix-turn-helix motifの一番目のhelixにあることを明らかにした。T7発現プロモーターを用いて変異型RpoDを多量発現させ、分離精製した。各変異型RpoDとRNAポリメラーゼコア酵素との再構成を行ない、PhoBタンパクの存在下でリン酸レギュロン遺伝子のプロモーターを鋳型としてin vitroで転写を行なわせて、変異型RpoDでは著しく転写能が低下することを明らかにした。さらに変異型RpoDで再構成されたRNAポリメラーゼホロ酵素はPhoBの存在下でもプロモーター領域に結合しないことをfoot printing法により明らかにした。 転写因子CreSについてはT7プロモーターを用いて多量発現させ、分離精製した。CreSタンパクおよびRNAポリメラーゼホロ酵素を用い、creS遺伝子のプロモーターを鋳型としてin vitroの転写を行なったところ、CreSタンパクは自分自身の遺伝子発現にはレプレッサーとして働くことが明らかになった。また、in vivoでのCreSの機能を検討したところある遺伝子群にはアクチベーターとして働き、またある遺伝子群にはレプレッサーとして働いていることが明かとなった。CreSがレプレッサーとして働く場合には、特にその効果は定常期に顕著に現われ、定常期における不必要な遺伝子の発現をグローバルに抑えるタンパクであることが明かになった。
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