研究課題/領域番号 |
04454614
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
石浜 明 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (80019869)
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研究分担者 |
豊田 哲也 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (00197972)
山岸 正裕 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (00220252)
藤田 信之 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (90173434)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | RNAポリメラーゼ / 転写因子 / 転写装置 / 転写制御 / 蛋白間コミュニケーション / 構造機能相関 / 大腸菌 / 酵母 |
研究概要 |
転写制御の研究は、ふたつの方向に分化しはじめた。そのひとつは、RNAポリメーゼや転写因子の分子解剖を基盤として、RNAポリメラーゼサブユニット間、RNAポリメラーゼ転写因子間の蛋白分子間のコミュニケーションの実体を解明し、その上で特定遺伝子の転写水準決定機構を理解しようとする方向である。もうひとつは、ゲノム上の遺伝子全体を対象とし、その転写水準の順位の決定とその変動の包括制御機構を解明するための全体論的研究である。後者の研究は、個別遺伝子の転写制御機構の認識が前提となるために、現在では限られた系、例えば原核生物(大腸菌か枯草菌)に限られる。 本研究は、これらの転写研究最前線の課題に正面から取り組んだもので、その一環としてRNAポリメラーゼの徹底した分子解剖を実施した。研究は、原核生物・大腸菌RNAポリメラーゼを中心に展開されたが、これと並行して、真核生物・酵母やウイルスのRNAポリメラーゼの分子解剖をも実施した。これと並行して、大腸菌ゲノムの多数の遺伝子の転写順位決定機構の先駆的研究が、RNAポリメラーゼの特異性変換機構を試験管内で実証する系を開発して進められた。 研究の最大の成果は、大腸菌RNAポリメラーゼ上で、各種転写因子の作用点の同定に成功したことであった。真核生物では、1、000種以上の転写因子が同定されているが、それらの作用機構は殆ど分かっていない。RNAポリメラーゼとの蛋白-蛋白コミュニケーションの接点の発見は、転写研究に新展開をもたらすものと評価された。なお、本研究で開発された、多数のRNAポリメラーゼ変異体より転写因子の応答能を欠いたものを単離する方法は、現在転写研究領域に広く導入され、本研究を機に世界20ケ国50研究室以上の共同研究が展開された。
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