研究概要 |
フッ素イオン耐性変異については、強耐性変異の成長の遅さを抑制する変異2つを解析した。どちらも単独では、フッ素イオンに対して弱耐性を示した。1つは既知の遺伝子flr-2、もう1つは新しい遺伝子flr-5にあった。強耐性変異の成長の遅さを抑制するという表現型を用いてマッピングしたところ、flr-2は第V染色体上のsma-1遺伝子の近傍、flr-5はその少し左のunc-23遺伝子の近傍にあった。flr-2flr-5二重変異の表現型は各一重変異の表現型と同じだった。また、flr-2変異と同じくflr-5変異も全ての強耐性変異(flr-1,flr-3,flr-4)の成長を遅さを抑制した。強耐性変異の遺伝子クローニングでは、flr-1遺伝子に加えて、flr-3遺伝子クローニングにも成功した。また、flr-1,flr-3両遺伝子のcDNAをクローニングした。現在、塩基配列を決定中である。 腸と体壁の間に隙間のできる幼虫致死変異(clr-1様変異)については、既知シグナル伝達遺伝子にあるとわかったいたlet-23、clr-1の他に、シグナル伝達遺伝子と思われるlet-341、lag-2の変異を同定した。また、lin-1変異による抑制を調ベたところ、抑制されることが知られているlet-23、let-341の他に2遺伝子の変異が弱く抑制された。新しい遺伝子にあると思われる5株(4遺伝子)のうち、ut102の遺伝子クローニングを開始した。他の3遺伝子のクローニングのための準備(詳細なマッピングを行う。余分なトランスポゾン除く。復帰変異株をを分離する。)も行っている。
|