• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

免疫応答と核へのシグナル

研究課題

研究課題/領域番号 04454621
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

中西 守  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)

研究分担者 鳥越 智香子  名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70237163)
キーワードカルシウムイオン / 共焦点レーザ顕微鏡 / 細胞内情報伝達 / サードメッセンジャー / 蛍光性分子ロータ / T細胞 / 好塩基球 / B細胞
研究概要

免疫応答と核へのシグナルを追究するため、本年度は、共焦点レーザ顕微鏡によるミリ秒レベルでの免疫応答のイメージングシステムの開発を行った。先ず、ヘリウム・カドミウムレーザを光源とする共焦点紫外レーザ顕微鏡により、細胞内カルシウムイオン動態のイメージングにおける種々の問題点を検討した。そして、indo-1を用いたカルシウムイオンの2波長蛍光画比の測定を可能にし、単一細胞でのカルシウムイオン濃度の共焦点画像の観察を行った。その結果、1)B細胞、T細胞、好塩基球等の抗原刺激に伴い、カルシウムシグナルが細胞質だけでなく核にまで伝達されること、2)抗原刺激後、カルシウムイオン濃度は細胞質よりも核でより大きく上昇することが明らかにした。一方、Hoechst33342とTMA-DPHを用いた核と細胞膜のイメジング技術を確立し、核へのカルシウムシグナルと細胞周期、ならびに、プログラム細胞死(アポトーシス)との関連をイメージング法により追究した。その結果、分裂期後期の好塩基球細胞においては、カルシウムシグナルが核に伝達しない事実を見いだした。また、アポトーシスに至る途中のT細胞や、未成熟B細胞においてもしばしば核へのカルシウムシグナルが伝達しないことも見いだした。また一方では、小胞体のカルシウムポンプの阻害剤であるタプシガルギンを用いた実験等からは、核のカルシウムシグナルは核膜中のカルシウムチャネルを通して、カルシウムイオンが細胞質から核に伝達されるものだと推察される結果を得た。さらに、新規蛍光試薬の開発にも取り組み、蛍光性分子ロータを用いた細胞骨格蛋白質の動態を追究する新技術を開発した。そして、免疫応答の初期過程での細胞膜から核へのインフォメーションフローの実体をイメージング法により追究する技法を考案し、免疫応答における核シグナルの実体を解明する新しいアプローチを確立した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yamada,H. Mizuguchi,J. Nakanishi,M.: "Single cell observation of ligand-induced desensitization of B-cell membrane immunoglobulin-mediated calcium signals" FEBS Lett.310. 201-203 (1992)

  • [文献書誌] Furuno,T. Isoda,R. Nakanishi,M.: "A fluorescence molecular rotor probes the kinetic process of degranulation of mast cells" Immunol.Lett.33. 285-288 (1992)

  • [文献書誌] Nakato,K. Furuno,T. Nakanishi,M.: "Cytosolic and internuclear calcium signals in rat basophilic leukemia cells as revealed by a confocal fluorescence microscope" Eur.J.Biochem.209. 745-749 (1992)

  • [文献書誌] Nagao,Y. Yamada,H. Nakanishi,M.: "Single cell observation of calcium signals in class II specific killer T cells" Immunol.Lett.34. 151-154 (1992)

  • [文献書誌] Furuno,T. Hamano,T. Nakanishi,M.: "Receptor-mediated calcium signal playing a nuclear third messenger in the activation of antigenspecific B cells" Biophysical J.(1993)

  • [文献書誌] 中西 守: "抗原抗体反応の光制御" 免疫薬理. 10. 342-344 (1992)

  • [文献書誌] 中西 守(分担): "細胞工学ハンドブック" 羊土社, 239 (1992)

  • [文献書誌] 中西 守(分担): "現代免疫学のテクノロジー" 医学書院, (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi