研究課題/領域番号 |
04455002
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩 福島大学, 行政社会学部, 教授 (20124589)
|
研究分担者 |
佐藤 岩夫 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (80154037)
阿部 成治 福島大学, 教育学部, 助教授 (50044566)
|
キーワード | 家賃補助 / 住宅給付制度 / NPO(非営利組織) / 資産・収入テスト |
研究概要 |
わが国では「特定優良賃貸住宅」制度の発足にみるように、従来の建設費補助に加えて家賃減額のための助成措置など、家賃補助政策が徐々に拡充されつつある。本研究は、家賃補助制度が今後のわが国の住宅政策において基本的な政策として位置づけられていくと考え、諸外国の事例との比較を通して、その政策のあるべき枠組みを提起していこうというのもである。今年度はイギリス、ドイツ、フランスなどの諸外国の家賃補助制度の枠組みと運用の実態について比較研究を行ってきた。とくにイギリスについてはバーミンガム大学地域・都市研究所(CURS)の住宅政策研究者に家賃補助制度についてのレポートを依頼し、今日的な課題を引き出してきた。これまでの家賃補助制度についての比較検討の中で確認できることは以下の諸点であり、今後の研究課題としておきたい。 (1)家賃補助制度は一般的な所得再配分政策とは異なり住宅政策としての目的を明確にしておく必要がある。 (2)家賃補助政策は民間賃貸住宅そのものや維持管理の質的水準を高めることと連動することが重要である。 (3)したがって家賃補助政策は水準の高いストックが形成されること密接に結びついていくことが重要である。 (4)政府・自治体が家賃補助制度を運用する上で、諸外国にみられるようなNPOが先導的な役割を果たすことが効果的であり、わが国ではこの点での政策的、戦略的な枠組みを検討することが重要な課題になりつつある。 (5)家賃補助制度「対人助成」として個別世帯の所得状況などにコミットしていくことになり行政需要の増加が予想され、この点についての創意工夫も必要になろう。
|