研究課題/領域番号 |
04455006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂井 榮八郎 東京大学, 教養学部, 教授 (10012387)
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研究分担者 |
稲本 守 東京大学, 教養学部, 助手 (60223236)
石田 勇治 東京大学, 教養学部, 助教授 (30212898)
工藤 章 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (90092197)
保坂 一夫 東京大学, 教養学部, 教授 (20074289)
西川 正雄 東京大学, 教養学部, 教授 (10012353)
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キーワード | データベース / 東西ドイツ / 統一 / 中部ヨーロッパ / ゲンシャー / シュトルプ / シュタジ / コール |
研究概要 |
平成4年度は、来年度に予定される研究成果の総合化に向けての前段階として、新聞・雑誌・ビデオなどの一次資料や、研究論文・学術図書を中心とする二次資料の収集・整理・翻釈を行なう一方で、これらの資料のデータ・ベース化を進展させた。これらの資料を利用した各分担者の個別研究も大きな進展を見せ、これらの成果はとりあえず分担者を中心とした現代ドイツ問題を多角的かつ総合的に論じた編著『もっと知りたいドイツ』(西川正雄編、弘文堂)として、世に問うことが出きた。しかし東西ドイツ統一後の様々な情勢変化に直面し、研究視角の一層の精緻化と新たな問題設定の必要性を強く感じたわれわれは、報告と討論に基づく活発な研究会議を積み重ねた。例えば9月の研究会では坂井が、今回のドイツ統一の過程を、19世紀の中部ヨーロッパ結合の動きと対照させて論じた。10月の研究会では保坂が、統一ドイツ後における旧東独反体制知識人の役割について論じた。又、11月の研究会においては石田が、「コール・ゲンシャー政権の外交政策」と題して、ドイツ統一及び統一後のドイツ外交の展開について、18年にわたってドイツ外交をリードし続けた外務大臣、ハンス・ディートリヒ・ゲンシャーの果たした役割を具体例を示しながら分析した。1月の研究会では稲本が、ドイツ統一後の精神状況の一例として、ブランデンブルク州首相マンフリート・シュトルプの秘密警察(シュタジ)疑惑に対するマスコミ報道について報告した。これらはいずれも本研究の基盤を成すもので、来年度は更に各分担者の研究視角を相互に鍛えつつ、研究全体の総合化をはかりたい。
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