研究課題/領域番号 |
04455009
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川田 智恵子 東京大学, 医学部(医), 助教授 (60010013)
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研究分担者 |
武田 文 日本大学, 医学部, 助手 (80216902)
吉田 享 東京大学, 医学部(医), 助手 (80174936)
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キーワード | 内発的問題解決 / 地域グループ / 文献研究 / 地域活動 / 高齢者 / 青少年 / 一人暮し |
研究概要 |
本研究は、健康増進のための地域の内発的問題解決能力を探求することを目的としているが特に、本年度は幼児、青少年及び高齢者に関する課題を取り上げている新旧の地域グループ活動に注目して文献研究と事例調査を実施した。また、高齢者の地域活動の実態を把握するため、一つの地域ではあるが、一人暮しの高齢者を無作為抽出して調査した。 1.最近5年間の文献研究の結果では、地域をベースにした高齢者保健・医療・福祉の文献の多くは、在宅要介護老人の介護に関する地域のネットワーク作りの必要性を唱えた論文またはその実態に集中していた。また、幼児、青少年をめぐる地域活動に関する文献は、保育園、小中学校PTA、町内会、生活協同組合、社会福祉協議会、警察を中心とした活動で、児童福祉、伝承あそび、学習、ボランティア活動、健全育成、非行防止などの課題を取り上げている。セルフ・ヘルプ・グループとしては、アレルギー、障害児、糖尿病患児を中心とした活動であった。 2.都内某区の女性中心の121の地域グループを対象に調査を行った。活動内容は75%弱が音楽、文学、美術、茶道など趣味の会で、後は婦人問題の勉強会と福祉や地域活動が半々であった。メンバーの年齢は40-60歳代、規模は10-20人が最も多かった。直面している問題は、高齢化、集会場の確保、時間作りなどであった。発足のきっかけは区主催の学級の同窓会が多かったが、どれも現在は自主運営している。高齢者や青少年の問題を扱っているグループはきわめて少なかった。 3.一人暮しの高齢者調査からは、地域に健康管理について学べる場があること、調理し安い材料が手軽に得られること、緊急時の支援が得られること、安価で楽しめる趣味や旅行のサービスがあること、近所にふれ合いの場があり孤独感を解消できること、さらに住居のサービスが求められた。
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