研究課題/領域番号 |
04455015
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岩田 弘敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20021371)
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研究分担者 |
梅村 貞子 中部女子短期大学, 教授
藤田 節也 岐阜大学, 医学部, 助手 (50219010)
吉田 英世 岐阜大学, 医学部, 助手 (00242735)
伊奈波 良一 岐阜大学, 医学部, 助教授 (10168411)
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キーワード | 老人性痴呆 / 情報の収集と交換 / 人材の確保 / 健康保養地 |
研究概要 |
老人の健康問題では寝たきりと痴呆が双璧である。そのうち、老人性痴呆に関しては徘徊等の問題があり、このことは家族への介護負担を大きくし、ときには家庭の崩壊にもなりかねない。従って、痴呆発症をできる限り予防しなくてはならない。初年度の患者・対照研究によると交友関係の乏しさ、趣味不足、健康診断への無関心、健康づくりへの無関心、環境の激変などが発症要因としてあげられた。次いで痴呆発症の生活環境要因に対して市町村はどのような社会的支援をしているのか、または支援しようとしているのか岐阜県下99市町村で調査した。市町村により財政規模の違い、人口構成の違い、首長の姿勢の違いなどで、かなりの格差がみられた。特に二次医療圏に括って、そこに含まれる市町村の老人保健医療福祉への取り組みを比較したが、いろいろな諸施設、マンパワーを要している市町村、そうでない市町村で医療圏内での近隣市町村への依存度が大きく異なっていた。特に岐阜県では飛騨圏に社会的支援の乏しさを感じた。しかしながら、小さな村でも老人保健福祉に熱心なところもあるので、モデル的2町村を訪ねる機会を得た。設備の整備(ハード部分の充実)、関係機関同志の強い連携(情報の収集と交換)、人材の確保(発掘と育成)をそろえることの必要性が印象深かった。ところが、老人性痴呆発症予防には医療福祉以外の保健領域でのきめ細かな支援策を研究していかなくてはならない。交友関係、趣味、生きがい、心理面、健康管理などに関してである。その一つに温泉、鍼灸マッサージ、芳香、食、運動など多種類の療法を含めた健康保養地の設置が望まれる。これは老人性痴呆のみならず、広く一般の慢性疾患予防にも有効ではなかろうか。これを設置することは高齢社会での社会的支援の一つといえよう。
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