研究課題/領域番号 |
04505002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 工学部, 教授 (20016463)
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研究分担者 |
森田 瑞穂 東北大学, 工学部, 助教授 (50157905)
柴田 直 東北大学, 工学部, 助教授 (00187402)
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キーワード | 超LSI / ドライプロセス / 低温プロセス / 完全自動化ライン / 二周波励起プラズマ / プロセス装置技術 / 超高真空技術 / DRAMメモリセル |
研究概要 |
確実なドライクリーニングプロセスの実現のため、まず装置技術の開発を行った。チャンバの対腐食性向上を目指し、アルミニウム製チャンバ内表面のNiF_2パッシベーション技術を開発、そのプラズマ耐性を評価した。30eV以下のイオン照射に対し全く問題のないことを見いだした。またクリーニングには、分子間結合エネルギの小さなガスをプラズマ励起して用いることにより、高密度で、照射エネルギの小さなプラズマを生成できることを発見、ソフトプラズマという新しい概念を提唱した。有機物を含む汚染には、NF_3、SF_6等のガスが極めて有効であることを実験で示した。一方ステンレス系部材に関しては、酸化・還元反応が競合する雰囲気での酸化より、完全なCr酸化膜形成に成功、対腐食性のみならず超高真空にも理想的な特性を持つ表面処理技術が得られた。次ぎにプロセス応用の成果について述べる。プロセスの精度を決定する最重要パラメタはイオンエネルギであるが、これまでRFプラズマに対して正確な測定を行える技術は無かった。今回我々は、新しい概念に基づくRFプラズマプローブを開発、初めてRFプラズマ中のイオンエネルギが正確に測定できるようになった。この成果をSiの低温エピタキシャル成長に応用し、250℃の低温成長エピタキシャルSiに対し、キャリア濃度、結晶性を自在に制御できる技術を開発した。また、二周波励起プラズマプロセスにて、Ta薄膜の結晶構造も自在に制御できることを示し、特に熱安定性、表面平坦性に優れたα-Taが40eV以上の照射エネルギで形成できることを見いだした。こうして得られたTa薄膜表面に、Ar/O_2プラズマによる低温酸化でTa_2O_5を直接形成することにも成功、DRAMキャパシタ形成の可能性を得た。また低エネルギAr/O_2プラズマ直接酸化により、Siの450℃という超低温酸化も実現した。こうして、これまでプロセス低温化の最大のネックであったゲート酸化工程についても低温化の可能性を拓いた。
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