研究課題/領域番号 |
04505003
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研究種目 |
試験研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
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研究分担者 |
水谷 国男 三建設備工業(株), 技術本部, 研究主査
内海 康雄 宮城工業高等専門学校, 助教授 (30168728)
持田 灯 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00183658)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00142240)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 乱流数値解析 / 並列処理 / 建築環境工学 / 並列解法 / 通信時間 / 並列計算効率 / SIMPLED法 / アルゴリズム |
研究概要 |
乱流解析において詳細な風速、圧力を解析するためには極めて多くの計算量を必要とし、高速化、大容量という要求を満たすものは並列計算機が最も有力である。 本研究では、大規模な流体数値解析において、今後主流になると考えられる並列計算機における流れのシミュレーションアルゴリズムを検討した。現時点では建築環境工学に係わる流れ場に対して並列処理による流体の数値シミュレーションが行なわれた例は少なく、並列計算を適用する場合に未解決の課題が数多く残されている。本研究では、並列処理と流体数値解析の現状を検討した上で、建築環境問題への具体的な適用における並列解法及びアルゴリズムを考察し、並列処理適用に関する問題点を明らかにした。また、並列計算機の一例としてHXnet型の並列処理計算機ADENARTを用いて、SIMPLE-D法による2次元及び3次元のCavity flowの計算の並列処理を行い、その並列処理の性能と各CPU間の通信時間の関係を検討した。3次元のCavity flowの場合、256個のCPUを使用する並列処理は逐次処理の場合に比べ、約100倍の加速率を示す他、各CPU間の通信時間が総計算時間の約10%となるなど、従来の流体並列処理の事例に比べても、並列化効率がかなり高いことを確認している。これにより大規模な実用計算にこの並列計算処理の適用が有効であることを示している。 以上、本研究は建築環境工学に係る流体シミュレーションの並列化に関し、数多くの独自の視点からこれを検討するとともに、今後急速な発展が期待される並列計算機へ適用が可能な高速数値計算のアルゴリズムを開発しその有効性を確認している。これは今後実用面で幅広く実施されることになる大規模な流れのシミュレーションのための数多くの貴重な知見を得るものであり、同時にこの分野の将来進むべき方向を示した研究であると言える。
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