Caイオンは種々の細胞機能の発現に重要な働きをしている。しかしながら細胞内Ca現象とCaイオンに起因する電気現象を同一の細胞で比較すると両者には大きな時間経過の違いがある。これは、電気現象が細胞膜直下のCaイオン濃度を反映するのに対して、Caイオン濃度として検出できるのは通学、ある程度の細胞領域の平均であるからと説明されている。この問題の解決を目的とし、本研究では、共焦点顕微鏡を用いて細胞内Caイオン濃度を高い空間解像度で測定し、かつ、レーザー走査方式を工夫する事によって、時間分解能を上げ、更に電気的な計測と同期して行えるシステムとして完成させる事を目指している。た成5年3月の現時点で、既に共焦点顕微鏡本体は納入され、二波長間の画像割算を実時間で行う為の増幅器を作製中である。電気生理学実験とは、完全な同期は現学点では取れないが、併用が可能である。平成5年度中にシステムとして完成し、平成6年度末までの研究期間内に、二波長Ca測光が可能でかつ、電気生理学実験システムと同期のとわる実験システムとして実用化できそうである。 細胞内Caイオン濃度を測定する実験は、未だ行えていない。これは、本年度が研究初年度であり、顕微鏡本体の完成に手間どった為である。UV領域のレーザーを用いるインド1による蛍光画像は試験的ながら二波長記録することができた。
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