研究課題/領域番号 |
04507003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑田 昇治 東京大学, 医学部(病), 助手 (00241993)
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研究分担者 |
脇本 信博 帝京大学, 医学部(病), 講師
幕内 晴朗 虎の門病院, 循環器センター, 部長 (10111543)
小塚 裕 東京大学, 医学部(病), 講師 (10126055)
高橋 孝喜 沖中記念成人病研究所, 主任研究員 (50171484)
柴田 洋一 東京大学, 医学部(病), 教授 (30010474)
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キーワード | 自己フィブリン糊 / 自己血輸血 / 止血効果 / 血管手術 / 植皮術 / 組織修復 |
研究概要 |
自己血輸血、自己フィブリン糊使用を、整形外科、胸部外科以外に形成外科、口腔外科、皮膚科、消化器外科等の臨床各科の手術に際して症例数を重ねてきている。 現在までの研究により、術中および手術後の持続的な出血が問題となる血管手術あるいは骨切り術を含む手術において、自己フィブリン糊の使用が、止血に対して特に有用であることが判明している。また、同製剤は、止血効果のみならず、組織修復を促進する効果も認められた。皮膚科あるいは口腔外科、形成外科の植皮手術時に、植皮部位に同製剤を使用した場合に、市販精製製品に比べて、著しく組織修復が速やかであった。皮膚移植等へ広く応用するべく臨床各科と連携し協力を得て症例数の積み重ねを行なっている。 以上の如く、臨床応用は進んできたが、自己フィブリン糊を汎用するためには、出血を有意に減少させる得ることを示す客観的な成績が必要である。しかしながら、手術対象疾患、対象患者、術式、術者の相違により、手術時の出血量は、大きく変動する。臨床各科と共同で、これらの要素を加味した症例の検討の最終的な統計処理に入っている。 現在の自己フィブリン糊製剤は、冷凍保存した患者血漿を解凍して得られるクリオプレシピテート粗分画を遠心分離、濃縮して用いている。市販精製品よりも組織修復に優れている理由は、フィブリノーゲン、血液凝固第XIII因子など以外に血管内皮細胞への白血球の遊走、接着を促進する因子等が濃縮されていると想定される。血漿中からクリオプレシピテート分画中で、各因子が、実際にどの程度、濃縮されているか解析中である。
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