研究分担者 |
小田 浩一 東京女子大学, 文化部, 講師 (60169307)
石川 准 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (60192481)
米田 政明 富山大学, 工学部, 教授 (30019210)
阿曽 弘具 東北大学, 工学部, 教授 (10005522)
木塚 泰弘 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育部, 部長 (90000265)
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研究概要 |
平成5年度は,主として知的自動点訳システムのハードウェア及びソフトウェア開発とシステム全体の統合を行い,若干のインターフェースの調整を残してほぼ本システムを完成した.その具体的内容は以下の通りである. (1)文字認識の高速化を実現するために,前年度製作したイメージ処理用LSIに加えて,今年度はパターン整合用及び制御用のLSIを開発し,これらを文字認識部に統合したハードウェア装置ZEUSを完成した.これにより20文字/秒以上の認識速度を十分確保することが可能となった. (2)文字認識に関しては,潰れが生じ易いルビや脚注等の小さい文字をも高精度で認識する手法など高度の実用に耐える文字認識技術を開発した. (3)文書画像のレイアウト理解,つまり,見出しや本文,図や表,キャプション,脚注やルビなどの文書画像の構成を自動的に識別する方法について研究し,それぞれ,文書の構造に関する知識及びグラフ理論に基づいた2種類の手法を開発した.前者は本システムにおいて,文書画像のレイアウト理解の中核をなすものであって,比較的に単純な文書画像,例えば文庫本や高等学校以上の文系の教科書については,レイアウト理解がほぼ満足できるレベルに達している.後者は文書画像の大まかな構造解析に適しているので,前者と相互補完的に組み合わせて活用する方向で検討を進めている. (4)点訳に必要な辞書の整備及び機能の拡大を通して点訳システムEXTRAを高性能化した.更に,日本語英語自動点訳プログラム「EXTRA」Ver.2.0を開発した. (5)盲人にとって使いやすい知的自動点訳システムとするためのインターフェースとして具備すべき諸条件を理論と試行実験の両面から追求し,次年度の本システムの評価に備えた.
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