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1993 年度 実績報告書

心理学的幸福度にもとづく実験動物の自己制御可能飼育環境システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 04551002
研究機関京都大学

研究代表者

松沢 哲郎  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)

研究分担者 後藤 俊二  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90093343)
松林 清明  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (50027497)
友永 雅己  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (70237139)
藤田 和生  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (80183101)
小嶋 祥三  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
キーワード心理学的幸福度 / 動物福祉 / チンパンジー / マカクザル / 飼育環境
研究概要

本年度は当該計画の最終年度として、新しい飼育環境システムを実際に運用して以下のような知見を得た。
1 チンパンジーの飼育場に設置した偽木や止まり木やロープなどの導入の効果をはかるものとして、直接観察とビデオ監視システムによるタイムサンプリングによって、3次元空間の利用様式の変化と増加量を評定した。
2 チンパンジーの自己制御可能な飼育環境システムの入力部として、指による接触を検出するタッチパネルをもちいた認知機能の研究をおこなった。
3 チンパンジーの自己制御可能な飼育環境システムの一部として、レバーを押すとその時間だけテレビが見られるという「感覚性強化」のパラダイムにのっとった装置を自作し運用した。
4 チンパンジーの自己制御可能な飼育環境システムとして、飼育場内に特殊な実験パネルを装着できる監視パネルケージ通称「UFOドーム」を試作して設置した。このドームにはラジオその他の装備があり、チンパンジーがいつでも操作できる。また体重計が外部に設置されていてドーム内のパネルに体重の測定値が示される。7個体の群れの住む放飼場内に設置されたドームを入出力部とする自己制御可能な飼育環境システムが実現された。
5 マカクザルの放飼場のエンリッチメント策として、可動性のある特殊な止まり木、回転篭などを設置した。
6 昨年度に試作し導入した「パネル型ケージ」をもちいて、2頭のニホンザルを対象とした、摂食行動の時間配分にかんする研究をおこなった。その結果、パズル型の餌皿を用いることで摂食時間を延長できることがわかったが、長期の使用は摂食行動の動機付けを低下させるという弊害も認められた。摂食行動の時間配分を変化させるような要因の分析を引き続きおこなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松沢哲郎: "チンパンジーの描画行動" 発達. 55. 101-110 (1993)

  • [文献書誌] Matsuzawa,T.et al.: "Hand Preference and tool use in wild chimpanzees." Primates. 34. 151-159 (1993)

  • [文献書誌] Matsuzawa,T.: "“Understanding Chimpanzees"de Waal,F.et al.(eds.)Stone tools of Hammer-anvil-wedge for cracking nuts in wild chimpanzees." Harvard University press(in press),

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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